ジャガーF-ペース vs ポルシェ・マカン
公開 : 2016.07.07 05:50 更新 : 2017.05.29 19:30
サスペンションは、マカンがエア・スプリングを使用するのに対し、F-ペースはコイル・スプリングとなる。エア・スプリング装着車の通例として、ドライバーとの一体感が損なわれがちだと考える向きも多いだろう。
しかしドライバーズカーであるかどうか? の観点で見るに、マカンはF-ペースよりも遥かにドライバーズカーだと感じる。グリップ・レベル、ボディ・コントロールのしやすさ、ステアリングを介するフィードバックの充実度、コーナリング・バランス、ハンドリング・レスポンス……。すべてにおいてマカンのレベルの方が高い。
2年前、まだF-ペースがデビューしていなかった時に、背の高いSUVでも敏しょう性を確保できることを証明したマカンであったが、F-ペースがデビューした現在でも、その鮮やかさは損なわれていないと感じた。
マカンのステアリングはずっしりとした重みがあり、ダイレクトで、操舵していて心地がいい。それでいて切りはじめた直後に車体が動くような神経質さがないため、高速巡航でも安定している。
少なからぬロールや、わずかなイニシャル・アンダーステアを想像するかもしれないが、そんなこともない。ステアリングを切れば程よくテキパキと向きを変える様は、スポーツ・サルーンさながらである。リアの方にトルクが多くもたらされるため、スロットル操作による調整も実にしやすい。気づけば夢中になっている。
レンジローバー・スポーツSVRを含むどのSUVも、マカンのようなハンドリングは実現しきれない。もちろんF-ペースのハンドリングだってマカンには及ばない。F-ペースのステアリングはマカンよりも軽く、伝えてくれる情報量は少ない。それになめらかではない。乗り心地はF-ペースの方がやわらかく、荒れた路面でも安定感があるのだが、その分ボディの前後左右の動きは大きく、マカンに比べると車体の重さを感じる。