第13回 Tokyo Bayside Classic Cup

2016.06.19

text & photo:Daisuke Ebisu (戎 大介)

 
初心者から上級者まで、ヒストリックカーで楽しく安全に楽しめるサーキット・イベントとして親しまれているのが“Tokyo Bayside Classic Cup”(通称:TBCC)だ。2013年より年間4戦のシリーズで開催されているイベントも、今回より第4シーズン目に入った。

TBCC新シーズンの第1戦目は6月19日の日曜日に袖ヶ浦フォレスト・レースウェイで開催、梅雨の季節だけに心配などもあったが、当日は朝から天候に恵まれた。最初にコースインしたのはTBCCへの入り口ともいえるスポーツ走行クラス。将来的にレース・カテゴリーへの挑戦を前提としたドライバーによるエントリー・クラスだ。参加車両も1972年までの製造車(とその継続生産車)までに限られるTBCCのレース・カテゴリーと異なり、現行車までの参加が認められているため、ホンダS500と最新のS660が一緒に走っていたりするという大らかさだ。今回も27台がエントリーする人気のカテゴリーでもある。

続いてヴィンテージ・クラスのスポーツ走行が行われた。こちらは最近新たに加えられたカテゴリーで、戦前生産車あるいは戦後のリジッド・アクスル車を対象としている。こちらも開設以来、盛り上がりを見せてきているカテゴリーで、戦前のMG各車をはじめラゴンダやアルファ・ロメオなどの独立したフェンダーと細い大径タイヤを備えた、まさに“ヴィンテージ”という趣の8台の名車たちが集まった。

そしてTBCCのメインストリームであるレース形式のクラスへと続くわけだが、まずはベーシックとなるクラスがClubmen’s Cup。『クルマを楽しむ仲間を増やしたい』というTBCCの基本理念を体現したクラスで、タイムの上がってきた上位入賞者はCrystal Cupへステップアップとなるため、サーキット初心者でも走りやすいクラスなのだ。今回も35台のエントリーがあり大盛況であった。

袖ヶ浦でのベストラップがおおよそ1分30秒を切るとCrystal Cupで走ることとなる。さすがにこのクラスになるとエントラントもレース慣れしており、あちらこちらで接近戦も見られるなどなかなかの迫力である。今回は25台のエントリーがあった。

さらにベストラップが1分25秒を切るとSuper Crystal Cup、23秒を切るとHyper Crystal Cupへとステップアップとなる。ちなみにベストラップが1分17秒を切ると、TBCCにはこれ以上速いクラスは存在しないため『卒業』となってしまうのだが、一度卒業となったドライバーがより小排気量で遅いマシンに乗り換えて再び下位のクラスから出直すということもままあり、そんなところからもTBCCのフレンドリーさと楽しさがわかるだろう。

さて、この上位2カテゴリーは混走となるのだが、さすがTBCC最速を争うカテゴリーなだけあって、各マシンの安定した走りと高度なバトルによる白熱のレースが見られるのが魅力だ。今回はSuperが9台、Hyperが5台のエントリーであった。

昼過ぎ頃には全ての走行枠が走り終わる。TBCCはスポーツ走行、レース形式(予選・決勝)共に2回の走行枠があるため、半日のイベントながら非常に満足度も高い。走り終わった後はサーキット内のレストランで昼食を取りながらの表彰式と懇親会が行われた。TBCCは全てのエントラントがクラブ員であるため、始終が実に和気あいあいとした雰囲気であった。

なお、次回第2戦は9月11日(日)の開催となる。参戦や見学についての詳細はTBCC公式ウェブサイト(http://automedic.co.jp/topics/TBCC/index.html)でご確認いただきたい。

  • TBCCの新シーズンは最高のコンディションで幕を落とした。

  • レース前には技術委員による車検と安全装備の確認が行われる。

  • レース枠に混走で実施されるアルファのワンメイクAR-Cupは今期4戦目。

  • コース上で出されるフラッグの説明と確認などが行われる、朝のドライバーズ・ブリーフィング。

  • 戦前のアルファ・ロメオを代表する6Cの姿も。もちろんこの後、全開で走行する姿を披露しせた。

  • コンペティション・バージョンに美しく仕立てられたのは、希少なジェンセン・ヒーレー

  • まずはプレTBCCであるスポーツ走行枠から始まった。

  • ボルボ・アマゾンのスポーツモデルである123GTは、当時ラリーなどを中心に活躍したモデル。

  • 先進的な設計とタフネスさで愛された510ブルーバードは、近年さらに再評価されている。

  • 戦前のヴィンテージカーによるスポーツ走行枠も、回を追うごとに盛り上がりを見せている。

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#33/1933年型ライレー・ナイン・ケストレル SPL 加藤選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#6/1930年型アルファ・ロメオ6C 小平公重選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#78/1935年型MG Lタイプ・マグナ 小平和正選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#71/1935年型ラゴンダ・レイピア 森選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#52/1935年型 MG PB ミジェット 田中選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#6/1934年型 MG NA 竹林選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#28/1933年型 ウーズレー・ホーネット・スペシャル 杉田選手

  • ヴィンテージ・スポーツ・クラス#18/1933年 MG Cタイプ・モンテリ・ミジェット 伊東選手

  • TBCCレース・カテゴリーのエントリー・クラスであるClubmen’s Cupは35台が出走した。

  • Clubmen’s Cupには21台ものクラシック・ミニが挑んだ。中にはA/T仕様の車両も参戦!

  • ミニ・クラスには、バッジ・エンジニアリングで誕生したウーズレー・ホーネットMk-3の姿も見られた。

  • 同じくミニ・クラスで走るミニ・クラブマン・エステート。

  • アンダー2000クラスで走るアルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント。

  • フィアット500はアンダー1000クラスで参戦となる。

  • Crystal Cupはベストラップが1分30秒を切るエントラントのためのクラスとなる。今回は25台が出走。

  • ジュリアやエスコート、MG-Bからミニまで、Crystal Cupは多彩な車両が競うクラスでもある。

  • ファットなリアタイヤとオーバー・フェンダーが迫力のオースチン・ヒーレー・スプライトMk-1。

  • 1974年型ジェンセン・ヒーレーSPLは2ℓエンジン搭載するためアンダー2000クラスにエントリー。

  • 本来は1.6ℓクラスのロータスエラン・シリーズ2も、アンダー2000クラスでの出走となる。

  • Crystal Cupで走るミニも多く、今回は7台が出走した。袖ヶ浦では侮れない存在だ。

  • 最高峰のSuper Crystal/Hyper Crystal Cupは混走となる。

  • 上級者だけが走行するカテゴリーだけに、迫力あるバトルが見られる。

  • 上位2クラスは排気量・車種の区別はないため、ミニも同じ土俵で戦う。

  • スーパー・クリスタル・カップ#60/1972年型アルファ・ロメオ2000GTV 鈴木選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#45/1998年型ローバー・ミニ 太田選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#271/1972年型アルファ・ロメオ2000スパイダー 藤田選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#117/1990年型ローバー・ミニ 矢代選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#189/1995年型ローバー・ミニ 田中選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#86/1994年型ローバー・ミニ 岡選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#17/1972年型アルファ・ロメオ・スパイダー・ヴェローチェ 紅粉選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#29/1967年型オースチン・ミニMk-1 谷口選手

  • スーパー・クリスタル・カップ#132/1978年型GKRT MG B 神谷選手

  • ハイパー・クリスタル・カップ#135/1968年アルファ・ロメオ1600GTV 永松選手

  • ハイパー・クリスタル・カップ#122/1964年型ロータス・エラン 藤崎選手

  • ハイパー・クリスタル・カップ#44/1972年型アルファ・ロメオ・ジュリア・スパイダー 杉田選手

  • ハイパー・クリスタル・カップ#41/1972年型アルファ・ロメオ2000スパイダー 安藤選手

  • ハイパー・クリスタル・カップ#751/1968年型アルファ・ロメオ1300ジュニア 後藤選手

  • レースが終わると全員で恒例の記念撮影を。続いてレストランでの表彰式、懇親会が行われた。

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