ボルボV40 D4インスクリプション
公開 : 2016.07.09 05:50 更新 : 2017.05.29 19:07
■「買い」か?
ボルボV40は2013年の日本導入時は足まわりをちょっと締め上げすぎていて、スポーティすぎる印象があった。2014年にはすぐに対策されて、しなやかな足回りに変更されたのも記憶に新しい。
ジャーナリストにとってボルボのおもしろさは、試乗会が開催されるたび「同じモデルじゃないか」と思って乗ると、予想に反して大きく進歩しているところにある。デビューいらいV40はそういうクルマの代表選手だ。V40 D4はさきに触れたとおり、ボルボのディーゼル・エンジンの優秀性を改めて認識させてくれた。エンジンは回しても楽しいスポーティなキャラクターが光っていたが、クルマとしてはしっとりした乗り心地もちゃんと持っていて、とても好ましい仕上がりなのだ。
試乗したモデルは高級グレードの「インスクリプション」(439万円)なので光沢も美しいレザーシート張りだったが、いっぽうで「シティウィーブ」と呼ばれるTテック(ボルボの合成樹脂)とファブリックの組み合わせのシートもかなり魅力的だ。明るいグレーと、落ち着いた細かいチェック柄とのコンビネーションは趣味のよさを感じさせる。しかもステアリング・ホイールがXC90のようなリム外径と内径とで異なる色のレザーを使った、とても洒落た意匠なのだ。レザーでいくかシティウィーブでいくか。2つの楽しみが用意された。
このクラスでいうと、さきごろ日本発売されたBMW1シリーズの2ℓディーゼル・エンジン搭載車、BMW118d(365万円〜)も感心する出来だった。あちらは後輪駆動であるのに対してV40は前輪駆動(V40クロスカントリーT5 AWDは4輪駆動)という大きな違いはあるが、パッケージングも近いものを感じる。この2車はとてもいいライバル関係になりそうだ。乗る立場からみると、迷いがいのある選択という点でじつに嬉しいことなのだ。
ボルボV40 D4インスクリプション
価格 | 4,390,000円 |
全長×全幅×全高 | 4370×1800×1440mm |
ホイールベース | 2645mm |
乾燥重量 | 1550kg |
エンジン | 直列4気筒ディーゼル・ターボ1968cc |
最高出力 | 190ps/4250rpm |
最大トルク | 40.8kg-m/1750-2500rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |
サスペンション | マクファーソンストラット / マルチリンク |
ブレーキ | ベンチレーテッド・ディスク / ディスク |
ホイール+タイヤ | 7.5Jx17 + 225/45R17 |
燃費(JC08モード) | 20.0km/ℓ |
▶ 海外初試乗 / ボルボV40 T3 R-Design
▶ 海外初試乗 / ボルボV40クロスカントリーD2
▶ 特別企画 / 新世代のボルボ・ディーゼルを味わう ボルボ vs AUTOCAR ディーゼル対決