メルセデス・ベンツC250によるミシュランタイヤ・テスト

公開 : 2016.07.08 02:40  更新 : 2017.05.22 13:51

  • 第一印象は路面にピッタリと密着すること。インチアップのネガがないのも好ましい。

  • ウェットのブレーキング性能は特に感心する。

  • 距離を伸ばして改めてレポートをしてみたい。

パイロット・スポーツ4のインプレッション

17インチにインチアップしたホイール/タイヤを履いた姿は、オフセットが僅かに広がったこともあり、非常にアグレッシブな雰囲気になった。ホイール・アーチとの間隔もこちらの方が自然である。

実際にステアリングを操作してみると、トレッド面が広がったせいか、切り始めが僅かに重く感じられるが、それ以外の操舵感は何ら変わらない。低速で都内を走り始めての第一印象は、ドタバタ感がなく、路面にピッタリ密着している印象である。乗り心地が良くなった、という感覚ではないのだが、コンタクトがしっかりしていて落ち着いている、という感じだ。ホイールもタイヤもサイズアップしているので、それなりにバネ下重量は増えていて、路面の段差などでその差を感じるのだが、だからといって、通常の操舵に変化があるわけではない。低速域では、総じてインチアップによるネガな面は感じられず、その分、高速域でのプラス面が期待できそうだった。

翌日の中央道で甲府まで120km程度のツーリングを皮切りに、既に約3週間で1000km程度走破してしまった。この間、撮影に使う、いつものワインディングで攻め込んだり、高速では、大きな声では話せないスピードでの高速コーナリングをこなしたりした。特にワインディングでの印象は、非常にねばる感じのグリップで、ウエイトをかけた後、じわっと踏ん張ってくれ安心して切り込んでゆける。特に、ワインディングでの下りの連続S字コーナーなどでは、連続する荷重移動に対し限界が掴みやすく、ステアリングに対しての応答性も正確なので、驚くべきスピードでも、ひらひらと気持ちよく下ることができた。コーナリング時の荷重移動にたいしての反応は、いささか不安があったが、頑固にアンダーに向かうのではなく、バランスよく、スッと内側を向いてくれるので気持ちが良い。おかげで、これまでいささか面倒に感じていた、甲府と東京の往復が大いに楽しくなった。しかし、この往復は、夜中のこともあるし、昼の炎天下の渋滞のときもあり、また、大雨や大雪の時もあり、あらゆる環境でのテストをしていると言っても過言ではない。中でも、特に印象的だったのは、高速道路の、特にウェット状況での安定感が、非常に秀逸であったことだ。排水性が高く、ウェットのグリップがよいので、ドライよりもアンダーステアになることもなく、安定したコーナリングができる。特に感心したのはウェットでのブレーキングで、ロック寸前まで踏み込んでも姿勢は乱れず、制動距離も短い。

総じて、このミシュラン・パイロット・スポーツ4は、スポーツタイヤとして、非常に優れていると思う。扱いやすく、しかも、限界域では納豆のように粘り、安心して振り回せるタイヤである、と言える。何れ、5000km時、と1万km時にもレポートをしてみたい。

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