メルセデス-AMG C63 Sクーペ
公開 : 2016.07.11 05:50 更新 : 2021.01.30 21:38
先代の自然吸気とくらべると、極めて低い回転域より車体は前方に飛びだす。大排気量NAエンジンのような走り出しの気だるさもない。あわせてギアがシャカシャカと変速する。最先端の戦闘機を思わせる。
ドライブ・モードは5種類あるものの、普段の走行の95%は ‘コンフォート’ が満足させてくれるだろう。わたし自身がそう感じるのは、何よりサスペンションがしっとりとした印象をもたらすからである。
乗り心地は、後期型こそ改善されたものの、先代のC63の欠点であった。これが見直されているおかげで、以前よりも走行スピードは高まった。自由度が増したということもできるだろう。
だからといって、ボディがブワブワと制御しにくくなったわけではなく、車体が大きく、重くなったものの、エンスージァストが眉をひそめる要素はない。もっともアグレッシブな ‘レース’ にセットし、ギアもマニュアル操作をすれば、先代よりも遥かに素早くなった変速のおかげもあり、気づいたときには速度は恐ろしいレベルに達している。