メルセデス-AMG C63 Sクーペ

公開 : 2016.07.11 05:50　　更新 : 2021.01.30 21:38

この際の排気音は、マシンガンを思い起こさせる。ステアリングもずっしりと重みを増し、切ればシャープな動きを披露してくれる。リアもそれに合わせて、一体感をもってついてきてくれる。

ソフトウェアによって制御されるデフは、機械式に引けをとることはない。スタビリティ・コントロールの介入も、おせっかいなところがないし、かといって放任主義すぎるところもない。

サーキットでは溢れんばかりのパワーをタイヤがきちんと受け止めている。底の見えぬV8のパワーを解き放ち、心の底から楽しむことができるマシンなのだ。

■「買い」か?

派手でトリック満載のアウディRS5、繊細なBMW M3／M4に比べると、C63は、いつだって確固たる立ち位置をもたぬ存在であり、現行型も同じである。

しかしながら現行型は、圧倒的なパワーと筋骨たくましいルックス、そして進歩的なハンドリングを手にした。よって無視しにくいクルマとなった。

ただ、この3つの要素は、どこかで見たことある。いや、C63 Sクーペよりも記憶に刻まれやすいかもしれない。そう、ジャガーF-タイプRのことである。