ポルシェ718ケイマン
公開 : 2016.07.18 05:50 更新 : 2017.05.29 19:04
ケイマンはボクスターと違い、固定式の屋根をもつから、そのノイズから逃れることは不可能だ。エグゾーストの音量を静かな方に切り替えても、高速巡航だと、背中にドローンをくっつけているような音がずっと響く。
フラット4を搭載しつづけるスバルのような音にならなかった点においては、ポルシェのエンジニアを褒めるほかないが、ざらついたサウンドは、空冷時代のフォルクスワーゲン・ビートルを思いださざるを得ない。
20mm車高が下がるスポーツ・サスペンションを組みあわせない718ケイマンのシャシー・セッティングは718ケイマンSに比べるとわずかにやわらかいが、日常的なスピードで走るかぎり、レスポンスやグリップは、両者のあいだの差が小さい。
ちなみに718ケイマンのホイールは標準が18インチ。望めば718ケイマンSの19あるいは20インチにアップグレードすることもできる。先代ケイマンに比べるとグリップ・レベルは如実に高まっており、増強されたトルクもうまく伝える。これが運転する感覚を変えている。
ジュニア・スポーツカー市場におけるボディ・バランスは相変わらず最高レベル。ステアリングから手元に伝わるニュアンスは、先代の方が人間味を感じられたが、718ケイマンの方があらゆるコーナーを、声を大にしていえないスピードで駆け抜けられることは確かだ。