ダイムラー、欧州におけるe-ハイリング事業を加速
公開 : 2016.08.01 04:10 更新 : 2017.06.01 01:27
ダイムラーは、タクシーのe-ハイリング会社であるヘイロー(HAILO)の経営支配権を取得し、ダイムラーが運営するmytaxiサービスとヘイローが合併することを発表した。
ヘイローは、モバイル端末を2回タップ操作するだけでタクシーを呼び出せる英国のタクシー配車サービスで、欧州を中心に展開している。一方のダイムラーは、ドイツでmytaxiを提供してきた。
今回の合併でダイムラーは、9カ国にわたる50都市において、10万台ものタクシーをサービス網に収めることができ、mytaxiの競合相手のウーバー(トヨタと提携)に対し存在感を高め、今後のモビリティ・サービスの主導権を取る狙いがある。
とりわけメルセデスはこうしたサービスに大きな関心を示しており、セールス・アンド・マーケティング部門取締役のオーラ・カレニウスは今年はじめにAUTOCARの取材に対し、「メルセデスはすでにカーシェアリング事業や配車サービスについて多くのリソースを投入するために調査を進めている」と話していた。
mytaxiのCEOであるアンドリュー・ピニントンは、「ヘイローとmytaxiの統合により、ヨーロッパ最大のe-ハイリング・カンパニーが生まれます。われわれはブランドにふさわしい世界最高級のテクノロジーと人的サービスを提供するでしょう」と語っている。
ダイムラーによるヘイローの経営支配権取得は、彼らがクルマを販売することから、カスタマーにサービスを提供する事業へシフトしていく方向性を示すものだ。このトレンドは、メルセデスだけでなく、他の自動車メーカーにもあてはまる。プジョー・シトロエンを展開するPSAグループも、先日モビリティ・サービスの組織変更を発表していたほどだ。
なお、メルセデス・ベンツ日本も、日本におけるカーシェアリング事業を積極的に進める方針を示している。