ポルシェ・マカンGTS

公開 : 2016.08.01 05:55　　更新 : 2017.05.29 19:03

スタビリティ・コントロールをオフにすれば(幸いなことに操作は簡単)、マカンは常に手中のなかにある感覚がある。非の打ち所のないクイックなステアリングと絶妙な前後のトルク・シャッフルのおかげである。不安よりも楽しさのほうが打ち勝っている。

不満? ほとんどない。

贅沢が許されるならば、より密度の濃いステア・フィールとわざとらしくないエグゾースト・サウンド、ブレーキ・フィールのよさを望みたいところだが、これほどのマスを適確にコントロールしている達成感の方がはるかにある。多くの ‘ふつうの’ クルマよりとても楽しい。

ほかのグレード同様GTSのトランクの形状はよく、シートのホールドも簡単に行える。多くのライバルは頭上と足元にもう少し余裕があるが、後席は窮屈ではない、

フロント・シートは調整幅が大きく、スポーツ・シートゆえホールド性も高い。最新のインフォテインメント・システムはどの階層でもクリアで反応がよく、Apple CarPlayが使えるのもいい。

■「買い」か?

パフォーマンスカー好きを納得させる場合において、SUVというボディ形状はハンディキャップ以外の何物でもないが、マカンGTSは物理の法則に対して健闘している。アウディSQ5の方がもう少し実用的で、維持費も安いかもしれないが、マカンGTSの方が遥かに楽しい。

値段は高く、7.8km/ℓ以上の燃費を達成することはできなかったが、一体誰がそんなことを気にするだろう? 徹底的に楽しんだあとに、そう思った。