しかしM600クーペとスピードスターに乗って、彼のいうことが間違いではないことに気づいた。ノーズに高さがあり、視界も広いのだ。ペダルやスイッチ類の重みも適切で、乗り心地も驚くほどよい。

ルーフが開くことで剛性が低下しているとも特に感じない。実際にもねじれ剛性に影響を及ぼしていないとバウトウッドはいう。クラッシュ・テストを行った際も、いかに屈強であるかを証明できたのだそうだ。

ミラー周辺もギシギシと音を立てたりすることはない。スピードスターは、クーペとまったく同じように走ってくれる。乗り心地のみならずステア・マナーだって想像よりいいではないか。とにかく軽く、とかにく鋭利だ。

これまでどおりエンジンも迫力がある。低回転域ではラグがあるが、音とレスポンスは人工的なところがなく、現代のクルマには希薄な魅力だといえよう。