フィアット124スパイダー・ルッソ・プラス

公開 : 2016.08.03 05:50  更新 : 2017.05.29 18:51

サスペンションがやわらかくなったおかげでボディもロールしやすい。ステアリング・レスポンスのみならずスロットル・レスポンスもMX-5の歯切れのよさがない。

そのぶん、たしかに市街地や長周期のうねりが連続する路面ではしっとりと落ち着いているのだが、トレードオフがハンドリングに如実にでている。

特にこのクルマが後輪駆動のロードスターであることを考えると、活気や正確性、無条件の楽しさを期待してしまう。それだけに落胆してしまうのである。

具体的には、ステアリングがMX-5より重く、切った際の反応も何だか漠然としている。コーナリング・バランスも甘美とはいいがたい。落ち着くまでに時間が掛かるし、スロットル操作による姿勢変化も難しい。

2000rpm以下の1.4ℓターボ・エンジンのレスポンスも眠気を誘う。追い越しにも気を使ってしまう。2000rpmを超えるとMX-5には力づよい加速を披露してくれるが4500rpmでは息苦しくなる。5000rpmを超えるとエンジンが限界に達しているのがわかる。明確に息がつづかなくなるのである。

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