ミニ・クーパーS ペースマン
公開 : 2012.11.13 17:51 更新 : 2017.05.29 19:15
■どんなクルマ?
ミニ・カントリーマンの3ドア・モデルが、このペースマンだ。BMWは楽観的にこのクルマをスポーツ・アクティビティ・クーペと読んでおり、ファミリー向けのクロスオーバーと、ティピカルなハッチバックとのギャップを埋めるモデルとしている。
そのフォルムは、カントリーマンのリア・ドアを省き、なだらかなルーフラインと新たなテールゲートを与えたもの。また5ドアの標準だったリアの3人掛けベンチシートは、同じく5ドアでオプションだった独立型の2人掛けシートに変更されている。
ランニングギアはすべてカントリーマンと共用。しかし、ペースマンに標準装備されるスポーツ・サスペンションは、10mmほどカントリーマンよりも低くセットされている。
エンジンとミッションは、すべてそのままキャリーオーバーされている。1.6リッターのガソリン・エンジンは、121bhp版がクーパー用に、181bhp版がクーパーS用となっている。また、ディーゼルは、110bhpの1.6リッターがクーパーDに、141bhpの2.0リッターがクーパーSDに搭載される。駆動方式はすべてのモデルで4WDを選ぶことができるが、売上のほとんどはFFモデルである。
■どんな感じ?
その存在自体が混乱を招いている。確かに、リア・ドアを溶接して、サルーンやハッチバックでは表現できないクロスオーバー感を出しているのだろうが、現実には3ドア・モデルが必要なのかと思うのだ。しかも、レンジローバー・エヴォークのようなエレガントさもない。主観的な評価をするのであれば、正当性がないというのが正直なところだ。カントリーマンに比べ、明らかに乗り降りに不便で、頭上スペースも少なくなっている。
乗り心地も、悪名高いカントリーマンをそのまま受け継いでしまっているようだが、その固いサスペンションは、凸凹の道ではカントリーマンよりも僅かながら良い感じがする。コーナリング中の雑音も若干少ないようだ。とはいうものの、クイックなステアリング・レスポンスとボディ・コントロールの良さには心奪われるものがあるのも事実だ。また、タッグを組む強力なエンジン・パワーも魅力的ではある。
■「買い」か?
カントリーマンよりも僅かに気持ちのよいリアの追従性はあるものの、ペースマンはその対価を支払うに十分なクルマではないように思える。あなたが4mのミニSUVを所有しようと思うのであれば、5ドア・モデルのほうがより高いユーティリティをもたらしてくれることだろう。
(ニック・カケット)
ミニ・クーパーS ペースマン
価格 | 22,355ポンド(281万円) |
最高速度 | 216km/h |
0-100km/h加速 | 7.5秒 |
燃費 | 16.3km/l |
CO2排出量 | 143g/km |
乾燥重量 | 1380kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ |
最高出力 | 181bhp/5500rpm |
最大トルク | 26.5kg-m/1700rpm-4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |