正直に申しあげるならば、エンジン音は先代にあたる458スパイダーほどメロディアスではないが、それでも488スパイダーは痛快な音をあたりに響かせてくれる。フラットプレーンのファルセットも健在である。

魅力的なのは音だけではない。ツイン・スクロール・ターボが仕事をはじめるころには、身の危険を感じるほどのダッシュを披露してくれる。とにもかくにも速い。そして元気ではちきれそうなくらい敏捷である。

唯一の欠点は ―あるいは予想済みかもしれないが― 剛性である。路面のよくない英国では特に感じやすいのだが、ちょっとしたことでストラクチャーがカタカタカタと細かな振動を伝えてくるのである。

サスペンションのセッティングと鼻先の動きの掴みやすさのおかげで致命的なまでに不安定だとは感じない。けれど大きかったり、あるいはイレギュラーなバンプを踏むと、ステアリングを通じて軽い振動が伝わってくる。