ヴォグゾール・アストラ1.6 CDTi
公開 : 2016.08.12 05:40 更新 : 2017.05.29 18:29
さすがに3000rpmを超えるとエンジン・フィールはがさつになる。全般的には洗練されたユニットであるが、ペダルを通じて振動が伝わるのは許されない。速度が落ちるほど乗り心地の硬さが目立つのも減点対象。
ちなみにアストラには新開発のDM2プラットフォームが使われるため、先代に比べて200kg軽くなっている。それならば……と期待するも、手元には情報らしい情報が伝わってこないのも残念である。
よってカントリーロードではフォルクスワーゲン・ゴルフほど楽しい気持ちになれない。しかしそのぶん、市街地では実に安楽にドライブできる。ハンドルも軽いため駐車場でも安々と方向を変えられるという長所もある。
「いやいやファミリー・ハッチにも楽しみを……」というのであれば、上のグレードにあたるSRiトリムを薦める。こちらならばステアリングは適度に重みがあるし、スポーツ・ボタンも付くからである。ただし、フォード・フォーカスの方が楽しい。
インテリアはプラットフォームがあたらしくなったおかげで見た目から想像するよりも広々としている。前席には余裕があり、後席も特に足元はかなり広い。背の高い大人でも長距離の移動が嫌になることはないだろう。インフォテイメント・システムも機能が充実している。DABラジオ、ブルートゥース、ナビの反応は速い。ただVWゴルフのようなロジカルなレイアウトはここでは諦めるべきである。フォード・フォーカスよりは遥かにいいが。