シルバーストンまではGT3-Rに乗っていったわけだが、到着するまでにふたつのことに気づき、考えた。ひとつは ‘どれほどわたしがこのクルマを気に入っているか’、そしてもうひとつは ‘GT3はもっといいのか?’ だ。

車重は2285kgもあるが、なにせパワーがかなりある。それゆえスタンダードなベントレーに比べると、動的性能がまるで違うクルマのように異なっているのだ。GT3は果たしてどんなクルマなのかとわくわくしてくる。

車重のことに先に触れておくと、コンチネンタルGT3はたったの1285kgしかない。どんなメーカーでも50kgのダイエットをすることさえかなり大変なのに、いったいどうしたら1トンちかく軽くなるのか……。

ベントレーはまず、内装を徹底的に骨抜きにした。そしてボディ・パネルのアルミとスチールをカーボンファイバーにそっくりそのまま置き換えた。

4WDシステムも取っ払い、重い8速トルコンATも捨て去った。そして、代わりに超軽量のXtrac製レースカー用トランスミッションを組みあわせたのである。

また、電動ウインドウもなくなったことで54kgも軽くなった。アクリル製のウインドウはわずか7kgしかなく、72ものECU装置が標準モデルにはついているが、レースカーのコンチネンタルGT3にはふたつしか残されていない。