マクラーレン570GT

公開 : 2016.08.19 05:50  更新 : 2017.05.29 19:10

■どんな感じ?

570GTを作るにあたり、570Sよりも37kg重くなったと聞いたが、そもそも最高出力は570psである。その差を厳密に感じることはほとんど不可能なくらい速く、回転が高まるのに比例してパワーも立ちあがる。

特に驚かされるのはシャシーのセット・アップに関してだ。サーキット用のタイヤを履いているわけではないのに、並外れた粘り強さを披露する。むしろGTといっていいの? というくらいにスポーツ走行に不足はない。

ゆっくり走ると、乗り心地のよさにもびっくりする。得体のしれないなめらかさといおうか。車体がむやみに跳ねることはなく、常になめらかかつ静かに前へ進んでいく。不思議な感覚である。ラゲッジ・スペースが大きくなったことも、ひとえに歓迎できる事実である。

ただ、ひとつだけ欠点がある。

570Sほど運動神経がよくない。念のためにいっておくがその差はわずかで、車重が重くなり、なおかつサスペンションがやわらかくなったことを考えると、受けいれることができる範囲内だが、速度が高まるとボディの上下動が増えるのが気になるのだ。

またステアリングが570Sほど直感的だとはいえない。

たとえばスライドしはじめてからのコントロールのしやすさとバンプの吸収マナーのバランスを考えると、むしろ、570Sの方がかえって乗り心地がよく感じるのだ。

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