スコダ・ラピッドSE 1.6 TDI CR
公開 : 2012.11.14 15:57 更新 : 2017.05.29 18:40
■どんなクルマ?
スコダの新しいスモール・サルーン、ラピッドの英国向けモデルが到着した。このラピッドは、ファビアとオクタビアの間に位置するモデルである。しかし、ラピッドの広い作りに押されて、来年デビューする次世代のオクタビアは、より大きなサイズになる予定だという。ラピッドの価格は、オプションを装着しない更のモデルだと13,000ポンド(164万円)から18,000ポンド(227万円)といったバーゲン・プライスである。
最も安いモデルは、74bhpの3気筒1.2リッター・ガソリン。それに85bhpのターボチャージャー付きの4気筒1.2リッター・ガソリンと、今回テストした104bpの1.6リッター・ディーゼルがラインナップされる。
■どんな感じ?
ラピッドは、あなたがこのクラスのクルマに求める最も当たり前のスタイルを持つ。インテリアも同様で、悪く言えば殆どデザインされていないかのようだ。しかし、そのダイヤルやスイッチは機能的で基本に忠実なレイアウトがされている。
室内は広い。背の高い大人であっても、ゆったりとリア・シートに腰掛けることができる。
ラピッドは、そのスタイリングからはサルーンのように思えるかもしれないが、実はノッチバックである。その背後には550〜1490リッターのブート・スペースを持つ実に実用的なモデルでもあるのだ。
1.6リッターのディーゼル・エンジンは、クラス平均といった感じだろうか。そのノイズも充分に許容出来る範囲だ。その乗り味は、他のスコダでも見られるように、気持ちのよいコントロール・ウエイトを持つ。ポジティブで、楽で正確なドライブ・フィールだ。5速のギアボックスとの相性も良い。
0-100km/hは10.6秒と遅いが、燃費は22.7km/lをマークするという。実際、われわれのテストでも18km/l台の数値を叩き出すことができた。
クラス最高と較べてしまうと、しなやかさと操縦性に欠けるかもしれない。それは、リア・サスペンションが多くの洗練された小型車が用いているマルチ・リンクではなくトーション・ビームであることも影響しているようだ。乗り心地も少々うるさい。しかし、その価格を考えれば納得できる範囲のもの。
高速クルージングは快適だ。但し、6速ミッションと較べてしまえば、そのエンジン・サウンドは大きい。
コーナリングにおいては、エンスージァスティックなドライバーに応えるだけのものはない。しかし、マネジメント可能なアンダーステアにおちいるまで、ラピッドは結構踏ん張る姿を見せる。
■「買い」か?
単純で落ち着いたファミリー向けのスモール・サルーンを望むのであれば、スコダ・ラピッドは最適なクルマといえるだろう。とりわけ、コスト・パフォーマンスを考えるのであれば、推薦することができる1台である。
(マット・プライヤー)
スコダ・ラピッドSE 1.6 TDI CR
価格 | 17,100ポンド(216万円) |
最高速度 | 190km/h |
0-100km/h加速 | 10.6秒 |
燃費 | 22.7km/l |
CO2排出量 | 114g/km |
乾燥重量 | 1254kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 104bhp/4400rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/1500rpm-2500rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |