フォルクスワーゲンは電力のみの航続可能距離は50km、最高速度は130km/hだと主張しており、内燃機関による力と電力を組みあわせると、ディーゼルに匹敵する航続距離は1000kmに及ぶ。期待できそうだ。

■どんな感じ?

目に見えない部分は複雑な技術が交じりあっているが、GTEはコンベンショナルなパサートと同じように簡単に運転できる。スターター・ボタンを押し、ギアをドライブに入れれば、無音のままに発進するのである。

無音のままなのは、バッテリーが十分に充電されている状態であれば自動的にE-モードにセットされるからだ。電気モーターの動作は柔軟性に富み、モーターウェイの巡航などは、ほとんど苦労することもない。

充電残量が少なくなれば、推進力は内燃機関に切り替わる。センター・コンソール上のGTEボタンを押すか、あるいはインフォテイメント・システム上でハイブリッド・モードを選んだとしても同じ結果になる。

ガソリン・ユニットの介入が、音や振動で物理的にわかるといったことはなく動作はシームレス。あまりになめらかであるから、ある種のうららかささえ感じる。ハイブリッド・モードでは足回りがわずかに引き締まるが、洗練性が明らかに損なわれたりはしない。レスポンスはよく、ふたつのパワー・ソースのケンカのようなものもない。ただただ力強くパワーを伝えるのだ。