フォルクスワーゲン・パサートGTE

公開 : 2016.08.22 05:50　　更新 : 2017.05.29 18:56

■「買い」か?

あたらしいテクノロジーに興味があり、電源付きの移動式オフィスを必要としているのならば、パサートGTEはあなたのためにあるといっていい。

ピュアなEVのように、バッテリー残量にビクビクする必要もないし、平日は内燃機関が一度も目を覚まさないといったことだってあるかもしれない。

ただ、このクルマが掲げる£34,025(448万円)という英国価格に対しては十分な注意を払わなければならない。それならディーゼルを買った方が……とも思える。

しかしパサートGTE単体でみると、これほど先進技術をみずからのものにし、洗練された機械はないといっていいだろう。欠点は値段以外にほとんど見当たらない。

■日本版編集部の見立て

日本のフォルクスワーゲンのラインナップではトップ・エンドに位置するパサートGTE。パワートレイン自体は、極く当たり前のパブリッドだが、一味違うのはGTEモードなるスイッチがあること。日本車のハイブリッドとは違い、パフォーマンス重視のセットアップがあるのが面白い。問題は、日本での価格が、サルーンで519.9〜579.9万円ということ。エミッション・スキャンダルの影響で日本ではVWのディーゼルはないのでまだ同じメーカーのディーゼルとの比較はできないが、この価格はメルセデスのC220dや、BMWの320dとほぼ同じなのだ。よほどハイブリッドに固執する人ならともかく、経済性を求める人にとって、どちらが魅力的なモデルなのかは残念ながら一目瞭然だ。街中でほとんどその姿を見ることがないのも納得できよう。