レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル (オフロード・インプレッション)

公開 : 2016.08.23 05:50  更新 : 2017.05.29 19:19

乗っているわたしも不思議な気持ちだ。このクルマのシートの高さと、それを理由とする視線の高さは、無意識にSUVに乗っていることを思わせるのが、それなのに常に頭上を森林の風邪が頭をかすめる。Aピラーと木の枝が当たったり、ときにはタイヤが岩場をグリップするキュッという音も直接、耳元まで届けられる。

アリエル・ノマドのようなクルマだと思われがちかもしれないが、感覚としては湖によくあるボートにちかい。ゆったりと外の風と戯れながら、歩行者の視線を感じる(たまに手を振られる)のも似ている。

雨がぱらついていたものの、幌をあげなかったのは、もしかするとそういった ‘奇妙な快感’ みたいなものに体が馴染みはじめていたからかもしれないと、いま振り返ってみると頷けてくる。

もちろんライド・クオリティに関しては難ありな部分がある、はっきりといって。スイスの道だと、あきらかにボディが落ち着かないときがあるし(しかし許せないほどではない)、補強の不足を感じる一面もある。

ただし、これは、日々ハンドリングを探究するAUTOCARのテスターならではの意見かもしれない。サングラスに短パン、サンダルでドライブする層は、おそらく大きな不満を感じないはずだ。

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