スコダ・オクタビア1.0 TSI S
公開 : 2016.08.23 05:40 更新 : 2017.05.29 18:39
■どんな感じ?
数値上の変化は大切なことであるが、ファミリーカーとして力不足でないかどうかはもっと大切だ。そしてこのクルマの場合、家族とそれぞれの荷物を載せても、きちんと目的地へ運んでくれるだろうという期待がもてる。
追い越しをおこなう際は、前もってシフト・ダウンするなどの準備が必要なのは確かだし、3気筒ならではのレスポンスの遅さが時に看取されるのは否定しないが、それにしても力強く、そして気持よくエンジンが回るのだ。高回転にもちこめば「よし、任せておけ!」とエンジンが言っているかのような、実に頼りになる音を発するのもいい。決して耳障りでないし、居心地の悪いヴァイブレーションを伝えてこないのもいいではないか。
指摘するとしたら、気筒数が少なくなったのに、ハンドリングが変わらない点だろうか。重量はわずか5kgしか軽くなっていないのがその理由である。
しかし、1.2ℓのときから卒のないハンドリングが自慢だったこともあり、致命的な欠点とまでは思わない。ステアリングは適度に重みがあり、切り始めるとごく自然にノーズが向きを変えてくれる。俊敏なクルマではないが、‘ほどほど’ な落としどころを見つけるのがうまい。