ポルシェ・パナメーラ・ターボ
公開 : 2016.08.23 05:55 更新 : 2017.05.29 19:03
パナメーラ・ターボのみエア・スプリングが標準となり、乗り心地は期待どおりである。シルエットこそクーペだが、横幅はBMW 7シリーズよりもワイドであり、サイズそのものも大きいので室内はかなり広い。
テストの地がドイツの南部だったこともあり、迷わずアウトバーンに移動した。以下はその印象である。
試しに思いきりアクセルを踏みこんでみると、ギアボックスは一瞬にして理想のギアを選んでくれるうえ、V8ユニットのトーンは力強さを増す。
ただ、狂しいほど速かったり、身の毛のよだつような恐怖を感じない。しかしメーターを見ると、‘永遠に運転できなくなるような’ 速度に達しているのである。
これほど苦労なく速度を積みあげるクルマをほかには思い浮かばない。ポルシェが公式に発表している306km/hという数値にも簡単に届きそうだ。
さらに驚かされるのは峠道におけるマナーである。4輪操舵システムと可変ロールバー、エア・スプリング、トルク・ベクトリング・システム、4WD、ピレリ・タイヤのすべてが有機的に働きあっているのがわかる。
コーナーを一度体験すると、本当にパナメーラに乗っているのかが疑わしくなるほど俊敏であるし、だからといって不安定な様子もない。どんなクルマでもポルシェはポルシェの味つけをする。魔法といってもよいレベルだ。