ポルシェ・パナメーラ・ターボ

公開 : 2016.08.23 05:55  更新 : 2017.05.29 19:03

■「買い」か?

パナメーラというよりも911に似た新型モデルだが、動的性能の高さも911さながらであるといっていい。

同時に、ポルシェの本質的なラグジュアリーカーとしては、この新型パナメーラが初めてといっていいくらいに、室内の高級感は飛躍的に増している。

2015年、たったの1年でポルシェ製SUVは、過去7年間のパナメーラの売上げを追い抜いたが、新型パナメーラに乗れば、ポルシェは同じ悩みを抱えずに済むのではないだろうかとさえ思えた。

ただ残念な部分もいくつかある。スチール素材とアルミニウム・ストラクチャーのハイブリッド構造であるにもかかわらず、先代にくらべると数kg重くなっている。

これによってステアリングの正確性が損なわれているわけではないが、かといって味わいに満ちているわけでもない。もちろんパナメーラの場合、ケイマンや911ほど重要なことではないが、気にならないといえば嘘になる。

しかしながら、この場合、小さな問題点よりも、大きく変わった部分を評価する方が適切だと思う。

名前こそパナメーラのままであるが、いま目の前に鎮座しているこのクルマは、‘パナメーラの新型’ というよりも、ポルシェの歴史のなかに初めて姿を現した、真のラグジュアリーカーであるといえる。

過去とくらべる必要も、ポルシェのスタンダードとくらべる必要もない。‘個’ としての、ラグジュアリー・エグゼクティブ・サルーンが堂々たるデビューを遂げた。

■日本版編集部の見立て

ある意味ポルシェのトップ・エンド・モデルであるパナメーラの第2世代のインプレッションだ。ポルシェにはいつも期待が大きい分、採点は厳しくなる英国版AUTOCARだが、今回はアラを探そうにも探せなかったというのが正直なところ。

パフォーマンスの向上はもとより、4ドア・サルーンとしてのラグジュアリーな部分も大きくブラッシュ・アップーーいや、ブラッシュ・アップというような言葉よりも、一新されているという表現のほうが的確なようだ。

さて、これほどまでに素晴らしい変身を遂げたパナメーラをリリースしてきたポルシェだから、次の911にも大きな期待を寄せたい。

ポルシェ・パナメーラ・ターボ

価格 £113,075(1,489万円)
最高速度 306km/h
0-100km/h加速 3.8秒
燃費 10.7km/ℓ
CO2排出量 214g/km
乾燥重量 1995kg
エンジン V型8気筒3996ccターボ
最高出力 550ps/5750-6000rpm
最大トルク 78.4kg-m/1960-4500rpm
ギアボックス 8速デュアル・クラッチ


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