テスラ・モデルS 60D
公開 : 2016.08.24 05:50 更新 : 2017.05.29 18:47
■どんな感じ?
トップ・レンジであるP90Dと比較すると、狂気的な速さというわけにはいかないが、スポーツ・サルーンのなかでも加速力は有数であり、モーターが一瞬でトルクを立ちあげるため、体感的にもかなり速い。
実質的には4輪駆動であるから、静止状態でアクセルを踏みつけると、極めて冷静にテイク・オフする。耳に届くのは、超音波のような電子音のみだが、体はシートにグッと押し付けられる。何度味わっても不思議だ。
乗り心地もまたモデルSの強みである。ほとんどのバンプを難なく吸収し、ピッチングやロールも簡単に捌いてみせる。コーナーで心から楽しめるといった類ではないが、ステアリングを介して手元に伝わる情報量は多く、重みにも一貫性がある。一体感は確保されている。
同時にテスラは自動運転も自慢としている。情勢を考慮して、あくまでドライバー・アシストという立ち位置に留まっているが、実際にモーターウェイで利用してみると、楽にドライブでき、結果的に疲れにくい。
テスラのモダン・モデルの例に漏れず、60Dのダッシュボード中央部にもiPadのスタイルに似たタッチスクリーンが鎮座している。これだけでほとんどすべての装置がコントロールできるようになっているから便利だ。
タッチスクリーンの操作感は、さすがに新型ポルシェ・パナメーラほどではないが、荷室がふたつ確保されていおり、後席は3名乗車でも狭くない。荷室のベンチをオプション装着すれば7名乗車ができるのも実用的だ。