ことなる変速タイミングやアクセル・レスポンスの組み合わせである「ドライブセレクト」にはスポーツやスポーツ・プラスというよりダイレクトな操縦感覚が楽しめるモードがある。しかし一般的なモードでも十分楽しい。ステアリング・ホイールにはマニュアルで変速ができるパドルシフトが装備されているけれど、ずぼらにDレンジに入れたままでも困らないだろう。

メルセデス・ベンツの本当のすごさは山道や雨の道でわかると思うけれど、メルセデス・ベンツE200アバンギャルド・スポーツに乗って。そのことを再認識した。

新型Eクラスが赤坂の迎賓館で大々的にお披露目されたとき、話題になったのは自動運転システムだった。来場者の前にまず1台のEクラスが姿を見せ走り出すと、後続にもう1台のEクラス。2台が連なって走り出すが、よく見ると追従している車両のドライバーは両手をステアリング・ホイールから離している。

新型Eクラスに採用された運転支援システムのひとつである「ディスタンスパイロット・ディストロニック」はマルチパーパスカメラとレーダー・センサーにより先行車を追従するシステムだ。停止も発進も自動である。加えて「アクティブレーンキーピングアシスト」による自動ステアリング・ホイール操作と、その機能を強化する「ステアリングパイロット」も印象ぶかい技術である。

「ステアリングパイロット」は車線が不明瞭でもガードレールなどを認識してステアリング・ホイール操作を補助する。迎賓館の石畳の庭でも手放しのまま先行車と同じカーブを描きながら自動走行を見せてくれたのだ。

「快適性や安全性を大幅に高める数多くの世界初の革新技術が導入」されたことを現地法人であるメルセデス・ベンツ日本では高らかに謳う。スマートフォンを使って外部から無人乗車の状態での車庫入れや車庫出しも、来場者を驚かせていた。