メルセデス・ベンツE200アバンギャルド・スポーツ

公開 : 2016.08.24 05:55  更新 : 2017.05.13 12:49

試乗のときに、そのうちいくつかを体験できた。ひとつは機能強化された「ディスタンスパイロット・ディストロニック」と「アクティブレーンキーピングアシスト」の組み合わせによる走行だ。従来よりも長時間ステアリング・ホイールから手を離していても、車両がカーブなどを曲がりながら先行車を追従して走るのを体験できた。路面の白線が薄く通常のアダプティブ・クルーズ・コントロールが作動しない場面でもE200アバンギャルド・スポーツは予想外にスムーズな自動走行を味わわせてくれた。

もうひとつが話題の新技術「アクティブレーンチェンジングアシスト」だ。高速道路走行中、ステアリング・パイロットが作動しているとこちらもスタンバイになる。使い方は車線変更時。ステアリング・ホイールを握っていなくてもウィンカー・レバーで、左右いずれかの移りたい車線を指示すれば、安全を自動で確認したのち自動ステアリング・ホイール操作で車両は車線変更を行う。

作動は予想以上にスムーズで驚いた。人間の感覚だと車線変更できる空間があっても、車両が判断するマージンはそれ以上であることは安全優先で好ましい。いっぽう黄線など車線はみ出し禁止区間でも条件さえ整えば自動で車線変更を行うようだ。「最終判断はドライバーのもの、というのが現時点での考え方」と試乗会に合わせて来日した本社の技術者は背景になる考え方を説明してくれた。

さらに驚きは室内にもあった。

■「買い」か?

新型Eクラスについてはあまりにも書くべきことが多くて、いくら余裕があっても書き足りないぐらいだ。話題性十分のインテリアについても触れておこう。

目につくのは、全体の造型コンセプトがSクラスと似たものになったことだ。湾曲する立体的な造型のダッシュボードに、円形の大型ベント(空気吹き出し口)が設けられている。スイッチ類は機能に合わせて配置が集約されており、いちどおぼえれば、つまりオーナーになればストレスなく使えるだろう。

さらに注目すべきは、モニター画面を2つ連続してダッシュボードに設置しているところである。12.3インチと大型のTFT液晶モニターが、ひとつはドライバーの眼前に、もうひとつはダッシュボード中央に据えつけられている。ドライバー前のモニターの機能はおもに速度計と回転計の(液晶)表示にある。ナビゲーションの機能を使うことも出来る。

もうひとつ、ダッシュボード中央の液晶画面はナビゲーションをはじめ、さまざまなインフォテインメントのモニターとして使う。室内の照明の色とか自分の好みに応じてのカスタマイズの幅が広がっている。新型Eクラスでは、いままでにない、まるで部屋にいるような気分に浸っていることが出来るのだ。

新機能については書き足りないが、使っているうちに機能をおぼえてなじんでくるだろう。おそらく使い勝手は予想以上に快適で、クルマから離れられなくなりそうだ。死角のないような万能モデル。それが新型Eクラスといえる。9月になると、新開発のディーゼル・エンジン搭載のE220dや、パワーの高いE250などが発売されるという。それも楽しみである。

メルセデス・ベンツE200アバンギャルド・スポーツ

価格 7,270,000円
全長×全幅×全高 4950×1850×1455mm
ホイールベース 2940mm
乾燥重量 1700kg
エンジン 直列4気筒1991ccターボ
最高出力 184ps/5500rpm
最大トルク 30.6kg-m/1200-4000rpm
ギアボックス 9速オートマティック
サスペンション 4リンク / マルチリンク
ブレーキ 4輪ベンチレーテッド・ディスク
ホイール+タイヤ 245/40R19 / 275/35R19
燃費(JC08モード) 14.7km/ℓ


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