メルセデス・ベンツA180ブルー・エフィシエンシー
公開 : 2012.11.15 18:12 更新 : 2017.05.13 12:52
■どんなクルマ?
20,000ポンド(256万円)以下で買うことのできる唯一の新しいメルセデス・ベンツがこのA180ブルー・エフィシエンシーだ。その価格は、1.4リッターのアウディA3とほぼ同じで、最も安い5ドアのBMW 1シリーズよりも安い。そして、多くのフォード・フォーカスのモデルよりも安い。
しかし、マス・マーケットでは、その金額自体よりもその金額に見合う価値があるかどうかが判断される。そういった意味では、A180は、出した金額に見合うだけの価値があるクルマだ。
そのトリムはSE、スポーツ、AMGスポーツとエンジニアード・バイAMGがラインナップされる。このうち最もシンプルはSEは、アロイ・ホイールではなく、本革のシートも持たない。また、メタリック・ペイントはオプションとなる。
エンジンは120bhp、20.5kg-mのパワー、トルクを持つ1.6リッターのターボ・ガソリンだ。
■どんな感じ?
15インチのスチール・ホイールや、プラスティック製のステアリング・ホイールとギア・レバーなど貧弱な装備だが、それでも充分に魅力的なクルマだ。
インテリアの素材は、一般の大衆車の平均よりも一枚上手で、感触も豊かだ。また、そのキャビンは非常に居心地が良く、右ハンドル仕様は若干オフセットされているドライビング・ポジションではあるが、キャビン・スペースも充分だ。
A180のエンジンは、ものすごい技をもっているわけでもないが、すべてにおいて良く出来たパワー・ユニットだ。低回転では静かだし、ハイギアードなミッションとの組み合わせは高い経済性をもたらしてくれる。確かに、A180は速いクルマではない。しかし、低速から中速域における扱いはフレキシブルで実用的だ。高回転域ではややきつい感じがするが、普段使う回転域ではまったく問題がない。しかも、18.2km/lという良い燃費をマークする。
乗り心地とハンドリングはそれほど素直ではない。ただし、クセはあるものの、われわれのAクラスのロードテストを既に読んだ読者は知っているように、ドライバーを喜ばせるものを持っている。ほんの少しボディ・ロールと居住適性には改良の余地があるかもしれないが。
65プロファイルの15インチ・タイヤを履く乗り心地は、静かで快適なもの。しかし、アウディA3やフォルクスワーゲン・ゴルフに較べると、悪路でのリバウンドが若干ながら大きな気がした。
とはいうものの、サスペンション・セッティングをコンフォートにしていても、ステアリングとボディ・コントロールは機敏で活発なものだった。
■「買い」か?
あなたがドライビングにレスポンスを求めるのであれば、A180は間違いなく買うべき1台だ。そのバランスから見ても、Aクラスの中でもA180は最も良いといえるだろう。価値と、現実的なユーザビリティと、機敏さがベスト・マッチしているのだから。
(マット・ソーンダース)
メルセデス・ベンツA180ブルー・エフィシエンシー
価格 | 18,945ポンド(242万円) |
最高速度 | 203km/h |
0-100km/h加速 | 9.2秒 |
燃費 | 18.2km/l |
CO2排出量 | 129g/km |
乾燥重量 | 1370kg |
エンジン | 直列4気筒1595ccターボ |
最高出力 | 120bhp/5000rpm |
最大トルク | 20.5kg-m/1250rpm-4000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |