モントレー・ウィーク

Rolex Monterey Motorsports Reunion

August 18-21, 2016 — Monterey, California


モントレー・カー・ウイークの期間中、最も長いスケジュールで楽しませてくれるのが、ラグナセカのマツダ・レースウェイ・ラグナセカで開催される、「モントレー・モータースポーツ・リユニオン」だ。ほかのコンクール・イベントなどが、比較的静かな雰囲気の中で進行するのに対して、このモントレー・モータースポーツ・リユニオンのメイン・プログラムは、真剣勝負のクラッシックカー・レース。その面白さと迫力からか、サーキット内のキャンプ・ロッジにモーターホームを持ち込み、木曜日から日曜日まで、じっくりとここでモントレー・カー・ウイークを過ごすファンも多い。

今年のモントレー・モータースポーツ・リユニオンは、トータルで15のクラスで行われた。それらはまさにモータースポーツのヒストリーそのものを、改めて振り返ることができる至福の時間。アメリカという土地柄もあり、IMSAやUSRRC、Can-Am、Trans-Amの各マシンによるクラスが設けられているのも興味深い。パドックにも自由にアクセスすることができるから、レース中だけではなく、じっくりとマシンを見学できるのも嬉しい。

2016年に創立100周年を迎えたBMWは、ここでも主役だった。そもそもBMWは、モータースポーツには常に積極的に参戦していたから、100周年を祝うにはサーキットはベストなシチュエーションといえるのかもしれない。BMW自身も、インフィールドに「リビング・レジェンド・ガレージ」と呼ばれる会場を特設し、ここに歴代のさまざまなレーシングカーを展示。さらに先日イタリアで開催されたコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで披露された2002オマージュを、さらにレーシーな雰囲気に仕立て直したニュー・バージョンを、ここラグナセカでワールドプレミアした。ちなみにこのイベントには、全米から750台以上のBMWカー・クラブ・オブ・アメリカのメンバーが所有するモデルが集結。レース・プログラムの途中ではパレード・ランも行われたが、コースの全周がBMWで埋め尽くされるその光景は、まさに圧巻というほかはなかった。

  • フェラーリ250GTOも、もちろんサーキットを全開で走る。

  • アメリカでは今も圧倒的な人気を誇るのが、これらのCan-Amマシン。今年は1963年から1968年までのエントリーが可能な5Aクラス、1968年から1974年までの7Aクラスで、その走りを見ることができた。

  • モントレー・モータースポーツ・リユニオンの舞台となるのは、名物コーナーのコークスクリューで知られる、マツダ・ラグナセカ・レースウェイだ。

  • 1966年から1972年までのTrans-Amシリーズを再現した、8Aクラスにエントリーしたマシン達。

  • 創立100周年のBMWは、ここでもメイン・キャストとして、その存在感をアピールしていた。

  • 1970年のスパ24時間レース仕様で登場したマツダR100は、日本からのエントリー。

  • 1963年から1973年までのFIAマニファクチャラーズ・チャンピオンシップ参戦モデルによる3Bクラス。1967年式ポルシェ910と、同じく1967年式のシェブロンGT B8による激しいバトル。

  • マツダUSAは、1989年式の767Bを始め、1990年式RX-7 GT、1991年式787、そして1992年式RX7-92Pと、合計で4台の4ローターレーシングカーを持ち込んだ。

  • 1981年から1991年までのFIAマニファクチャラーズ・チャンピオンシップと、IMSA GTO/GTPによる5Bクラスは迫力満点だ。

  • 同じく5Bクラスの、マツダRX7-92Pと、そのテールを追う1986年式トヨタ・セリカ。さらに後方には1985年式ローシュ・マーキュリー・カプリの姿も見える。

  • 1940年以前のスポーツ・レーシングとツーリングカー、そして1927年から1951年のレーシングカーで競われる1Aクラスのエントリーは、さすがにバラエティに富んでいる。

  • 1932年式アルファ・ロメオ・モンツァ。

  • 1938年式BMW 328。

  • 1914年式マーサー45。

  • 1927年式ブガッティ・タイプ37A

  • 1955年から1961年までの、2000cc以上のスポーツ・レーシングカーで競われた2Aクラス。

  • 1957年式アストンマーティンDBR2。

  • 1960年式マセラティ・ティーポ61が3台、2Aクラスにはエントリーされていた。

  • フェラーリ250GTOなどがエントリーする1955年から1963年までのGTカーによる3Aクラスは、観客にもとりわけ人気の高いレース。

  • 1962年式フェラーリ250GTO。

  • 1961年式ポルシェ・アバルト・カレラ。

  • 250GTOの後を追うのは、同じくフェラーリの1961年式250GT SWBだ。

  • まさにレースのための正常進化型ともいえる250GT SWBは、やはりサーキットが最も良く似合う。

  • 1973年から1981年までのFIA、IMSA GT/GTX、AAGT/GTUマシンによる4Aクラス。

  • 1975年式BMW 3.5CSL。後方には1976年式ポルシェ935K3などの姿が見える。

  • 1975年式BMW 3.0CSL。

  • 1980年式フェラーリ512BBLM。

  • 1976年式ポルシェ935 K3。

  • コークスクリューを駆け下りる3台のBMWは、前から1975年式CSLターボ、1980年式M1プロカー、1978年式320ターボ。

  • BMWとポルシェは、いずれもモータースポーツ・ヒストリーを語るには、欠かすことのできない存在だ。

  • シェルビー・コブラは、アメリカのレース・ファンにはやはり特別な存在。1963年から1966年までの2500cc以上のGTカーによる6Bクラスで、ライバルのシボレーコルベットなどとともに迫力の走りを披露した。

  • BMWはインフィールドに、リビング・レジェンド・ガレージと呼ばれるブースを特設。ここで新たな装いとなった2002オマージュなどを世界初公開した。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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