シトロエン・グランドC4ピカソ
公開 : 2016.08.30 05:50 更新 : 2021.03.05 21:43
■どんな感じ?
メカニカルの部分は実質的に従来のモデルとは変わらないが、特にこれは悪いことではない。というのも、以前からグランドC4ピカソの動的性能をAUTOCARは評価してきたし、今回の峠道におけるテストでも、よう部分が損なわれていなかったからだ。
サスペンションの ‘当たり’ はソフトなのだが、高速域でもしっかりと安定している。大きなボディを努力してコントロールする感覚はなく、4輪もきちんと踏んばる。(情報量は少ないが)ダイレクトなステアリングと、よく粘ってくれるミシュラン・パイロット・スポーツ3のおかげだろう。車格を忘れることさえしばしばだ。
ハンドリングが自慢のフォードS-マックスほどのアグレッシブさではないが、MPVというグランドC4ピカソの立ち位置を考えると、高い点数を与えたい。
ただ、回転数が低いと、2.0ℓディーゼル・エンジンはそれなりにカラカラといった音をあげる。スピードが高まれば音量は小さくなるのだが、このときにはAピラーとミラーあたりから発される風切り音が目立つ。
ガソリン・エンジンは、1.2ℓピュアテックと呼ばれているユニットが2016年モデルにも残されているが、これまでの傾向から判断すると、120psの1.6ℓディーゼルがもっともポピュラーな存在になるはずだ。
ただこの1.6ℓディーゼルに£1,200(16万円)を上乗せするだけで、テスト車が搭載している150psの2.0ℓディーゼルが買えることを忘れるべからず。
ならば、この2.0ℓディーゼルをおすすめか?
日常的な使用ならばなめらかで反応もよいのだが、回転数が高まるにつれて欠点が浮き彫りになるため、手放しにおすすめすしない。低回転域から、もっともおいしい中回転域に至るまでに時間がかかる(=軽く回らない)うえ、中回転域に達しても、思ったほど速くないからだ。