年間4万km以上を、ビジネス・エクスプレスとして使用するということを考えると、第一にたいせつなのはインテリアの完成度ではなかろうか。

完成度とひとくちにいえども、マテリアルの質感、収容力、便利な機能など、求められるものは多岐にわたる。それぞれのクルマの価格帯を考えると、当然 ’ラグジュアリーであること’ も評価を左右する。

何人かのテスターも、わたしと同じように4台のクルマをトライしてそれぞれが意見を述べていたが、一致するのは “Eクラスのキャビンの見た目と居心地がもっともよい” というものであった。

金属素材らしさがよくわかるクールなスイッチやトリムの仕上げ、レザーならではのやわらかさなど、隅々までメルセデス・ベンツのこだわりが見られるという言葉をテスト中、何度も耳にした。

アウディA6もマテリアルの高級感ではEクラスに負けていないのだが、それでもEクラスのような味わいに及ばないのは、見た目がプレーンすぎるからだろう。要は素っ気ないのである。

ボルボS90は、レザー／プラスティック／ベニヤ／クローム風の仕上げなどで勝負している。アウディA6に比べると、あたたかみがあるのが特徴だが、A6に劣っているのは、なかには高級感に欠けるマテリアルも混じっている、という一点。

レクサスGSの内装は、はっきりといって時代遅れだ。センター・コンソールやステアリング・ホイール上のスイッチが多すぎる。スイッチはプラスティックであることがわかりやすいし、それぞれの配置も行き当たりばったりな感じがする。

最近では、インフォテインメント・システムの良し悪しも評価の基準になる。やはりここでもEクラスがトップ。S90とA6がわずかな差でEクラスを追随し、GSは少なからぬ差で後塵を拝する。

Eクラスにはオプションの12.3インチのスクリーンがついており、まず、表示が美しい。動作に貧弱な様子もなく、サクサクと動くのもよい。

S90の ‘センス・コネクト’ インフォテイメント・システムは、9.0インチ。Eクラスほどの扱いやすさではないが、技術的にはEクラスよりもあたらしい試みが見られるため難なく2位につけた。

Eクラスのシステムを超えるには、物理的なボタンをもう少し残すべきではないだろうか。結果的にダッシュボード上はすっきりするのだが、ほぼ全てのファンクションをタッチスクリーン上で操作するとなると、これはこれで厄介なのである。

ピンチ・イン／アウトやスワイプに対する反応はまずまずなめらかで、見た目もよいのだが、画面が指紋だらけになってしまうという欠点もある。

アウディA6のインフォテイメント・システムは、簡単にGSを退けられる。モダンで、それぞれの機能へたどり着きやすいのだ。

室内スペースに関してはどうだろう?