アウディA6 vs レクサスGS vs メルセデスEクラス vs ボルボS90
公開 : 2016.08.31 05:40 更新 : 2017.05.29 19:29
同じコンディションで割りだした燃費で、もっとも優れていたのは18.3km/ℓのA6だった。つづいて17.8km/ℓのE220d、16.4km/ℓのGS300h。
もっとも悪い結果となったのはS90。4台のなかで最高出力が大きかったことが原因として考えられるが、だからといって出力の差は、それほど大きくない。結果は結果として受けいれるのみだ。
さて、この最高出力に関してだが、数値がそのまま、今回のテストにおけるパフォーマンスの高さを意味するというわけではないため、誤解のないようにする必要がある。というのも、今回の4台にとって重要なのは、イン・ギア加速とミドル・レンジのフレキシビリティだからだ。これがビジネス・エクスプレスたりうるかを左右する。0-100km/hタイムうんぬんは、この際、スルーしてもいいくらいだ。
最下位をなすりつけ合おうとするのは、レクサスGSとアウディA6の2台。GSは、CVT由来のラバーバンド・フィールを避けられていない。
対するE220dは、まず、ミドル・レンジの押しだしの強さに、有用性を感じさせる。ここでも9速ATがよい仕事をする。つまり、トルクを引きだしやすい回転数を実にうまく選ぶ。
これに追いつかんとするのがS90だ。Eクラスのような、それぞれの要素の技量のよさは見当たらないが、そのぶん、80km/h以上の速度における調整のしやすさをもって巻き返そうとする。
モーターウェイにおける乗り心地に関しては、文句なしにEクラスがトップ。頭を上下に揺さぶったりすることなく、ゆったりと衝撃をやわらげる。高速時の安定性を損なうような、横方向の揺れもない。AMGラインゆえ19インチのホイールを履いていたが、これが乗り心地を大幅に悪くするわけでもない。
一方、A6は英国のモーターウェイの路面の悪さに泣かされていた。そもそもアシが硬いのだ。凹凸を超えるたびにボディは浮き沈みしていた。ドイツのなめらかな道ならばよいのだろうが……。
対するS90は、とかくやわらかいセッティングで衝撃を丸めこもうとするが、英国の道にはやわらかすぎるようで、結果的に必要以上にボディが浮き沈みする。ホイールの大きさも足を引っぱる。
S90に関してはステアリングも改善してほしい。重みに一貫性がなく、中立付近があいまいなのだ。モダン・ボルボのキャラクターを加味すると、もう少し遊びが少なくてもよいと思った。