アウディ、最新のバーチャル・コクピットをA8に搭載
公開 : 2016.09.01 04:40 更新 : 2017.06.01 00:42
アウディはA4から採用しているバーチャル・コクピットを更に進化させたものを、来年発表されるA8に搭載するという。
この新しいバーチャル・コクピットは、今年1月に開催されたCESで発表されたQ6 e-トロン・コンセプトでプレビューがなされたもので、そのベースとなるのは現行のバーチャル・コクピットだ。
現時点では新しいバーチャル・コクピットはコンセプトの状態だが、このコクピットは3つのスクリーンを持つのが、現行のものと異なる点。
メインはドライバーの前に配置されるスクリーンで、14.1インチ、2240×720ピクセルの非常に薄いカーブしたOLED(有機発光ダイオード)がレイアウトされる。僅かにカーブしているのは、光による反射を防ぐためのものだ。マルチ・ファンクション・ステアリングによって、速度、バッテリー充電のステータス、残りの走行レンジなどといった情報が表示されるのは、現行のコクピットと同様だ。
中央に配置される2つのタッチ・スクリーンが、最新のバーチャル・コクピットの特徴である。上部のスクリーンは、ナビゲーションとインフォテインメント・システムのコントロールに、下部のスクリーンは、エアコンのコントロールや文字入力に対応するという。この2つのスクリーンに、ドライバーが必要とする機能が全て集約されると共に、パーソナラズすることが可能だ。
特徴的なのはこのスクリーンがタッチ・フィードバックを持つことにある。つまり、フラットなスクリーンのボタンを押しても、実際にボタンを押したような感覚をドライバーに感じさせるもの。具体的には、ボタンを押すと、ノイズとバイブレーションがフィードバックされる。
アウディのエレクトロニクスのエキスパートであるアンドレアス・ラムプレヒトは、「このボタンには2つの利点がある。ひとつは、ユーザーは常に平坦な道を走っているわけでなく、注意が必要なカーブを走行している場合もある。そういった場合に、スクリーンを操作している際に起こる不注意を最小限に防ぐことができるというもの。そしてもうひとつは、指先に感触が伝わることで、繰り返しのボタン操作などには、不要な視線移動の必要がなくなるということだ。」とコメントしてる。
現行おバーチャル・コクピットと異なるのは、ロータリー・コントロール・ノブによってスクリーンを操作する必要がない。
「だれもがスマートフォンを持つことによって、タッチ・スクリーンの良さを知ることになった。これをわれわれはフィードバックしていきたい。」ともラムプレヒトは語っている。
「3分割のスクリーンは、1年未満に市販車に搭載されることになる。」ということで、A8が最初にこの新しいバーチャル・コクピットが採用されたモデルになると予測される。
ただし、OLEDではなく標準的なLEDと液晶画面になるという。というのも、OLEDの技術がまだ完成していないからだ。OLEDが採用されるまではあと2年必要ということだ。