アルピナ、ハイブリッドよりもディーゼルに注力
公開 : 2016.09.05 04:20 更新 : 2017.06.01 00:42
創立51年を迎えるアルピナは、年産わずか1700台という極めて小規模なメーカーである。
同社のアンドレアス・ボーフェンジーペンCEOは、年産2000から2500台という規模が、高騰しつづける開発費用を考えると現実的な選択であり、ブランドのファンを魅了する特別なモデルをつくるには最適な判断だとしている。
「わたくし共は、ロールス・ロイスの半分の台数しか製造していません。いわばロールスの2倍も特別なブランドなのです。多くのカスタマーが、グッドウッドやフランクフルト・ショー、それに東京モーターショーに足を運んでくれます。もちろん名前だって覚えていますよ。そうしたパーソナル・エクスペリエンスを彼らは支持してくれるのです」とボーフェンジーペンは話している。
ファンを魅了することには長けているアルピナだが、それでは技術的な面はどうだろうか。ハイブリッド・パワートレインについて尋ねてみた。
「欧州に関していえば、今が潮時とは考えておりません。現在のところ、わたくし共のカスタマーにとってはディーゼルが最適な選択なのです。今後5年間はディーゼル・パワートレインが大きな役割を果たしつづけます。しかし、SCR技術やAdBlueを用いた環境性能向上を続けることを忘れてはなりません」
BMWが3気筒や4気筒のモデルに注力しているが、ボーフェンジーペンによるとアルピナのカスタマーは異なるという。「彼らは少なくとも6気筒を求めています。もしもこれを自前で開発するとなると、開発費は莫大なものになるでしょうね」
BMWのような大メーカーは、2020年までにCO2排出量を平均95g/kmにするという欧州の環境目標を満たさなければならない。しかし、アルピナのような小規模メーカーはこれを免除される。
それにもかかわらずボーフェンジーペンは、アルピナが新たなチャレンジに向かう必要があるとも考えている。「もしも(ハイブリッドを導入する)潮時がやってくれば、わたくし共の行動は早いでしょうね。2年あれば十分です。それだけあれば準備を整えてみせますよ」