Chantilly Arts & Elegance Richard Mille
2016.09.04
これまでの僅か2回の開催で、世界的に確固たる地位を築いたシャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミル。その3回目が、今年もパリ近郊にあるシャンティイ城を舞台に盛大に行われた。朝方に小雨が降る生憎の天気にも関わらず13,500名の来場者を数えた。
このコンクールは、ツアー・オートやル・マン・クラシックなどのヒストリックカー・レースを得意とするピーター・オートが主催するもので、いわゆるコンクールのみならずラリーやファッション・ショー、アート・ギャラリーなど、往年のフランスを発祥とするコンクール・デレガンスの精神と雰囲気を現代に伝えている点が特徴といえる。またプログラムのひとつとしてボナムスのオークションも開かれた。オークションの結果はこちら。
イベントのメインとなるコンクールは21のクラスに分けられ、約100台の貴重なクルマが世界中から集まった。主なクラスと受賞車を記す。
トリビュート・ジャン・トッド
1979年型プジョー504グループ4
戦前の英国車
1922年型サンビーム3ℓストレート・エイト・グランプリ
戦後のオープン英国車
1953年型サンビーム・アルパイン Mk-1
戦後のクローズド英国車
1955年型フレイザー・ナッシュ・ル・マン・クーペ
50thアニヴァーサリ・—ランボルギーニ・ミウラ
1967年型ランボルギーニ・ミウラP400
ツールド・フランス・カー(1951-1964)
1957年型フェラーリ250GT ベルリネッタ・コンペティツィオーネ TdF
ツールド・フランス・カー(1969-1986)
1982年型フェラーリ308GTB Gr.4ミケロット
トリビュート・ポッジ・レーシングカー
1972年型フェラーリ365GTB/4 コンペィツィオーネ S-II
フロント・エンジンF1
1946年型ゴルディーニ・タイプ11
戦前の黎明期エアロディナミック・オープンモデル
1933年型ランチア・アストゥーラ 3e ピニンファリーナ・カブリオレ・ボッカ
戦前の黎明期エアロディナミック・クローズドモデル
1938年型アルファ・ロメオ8C2900Bルンゴ・ベルリネッタ
ストリーム・カー
1903年型ホワイト・リヤエントリー・トノー
戦前のフランス・コーチビルダー・マスターピース
1935年型ブガッティ・タイプ57 アトランテ
戦後のフランス・コーチビルダー・マスターピース
1964年型ファセル・ヴェガ HKII
グレート・イタリアン・コーチビルダー/戦前のザガート
1932年型アルファ・ロメオ8C2300 スパイダー
グレート・イタリアン・コーチビルダー/戦後のザガート
1961年型アストン・マーティンDB4 GTZ
グレート・イタリアン・コーチビルダー/アルファ・ロメオ
1965年型アルファ・ロメオ 1600TZ
これらのクラス別のプライズのほか、今年のベスト・オブ・ショーには、アメリカのコレクターであるジョン・シャーリーが所有する1938年型アルファ・ロメオ8C2900Bルンゴ・ベルリネッタが選ばれた。
シャンティイでは旧いクルマだけのイベントではなく、現代のコンセプトカーやニューモデルを披露する場所としても認識されている。クルマだけではくファッション・ブランドともコラボレーションを行い、デモランの際はモデルがクルマと共に登場した。
今年はアストン・マーティン、BMW、ブガッティ、DSオートモービル、レクサス、マクラーレン、メルセデス・ベンツとロールス・ロイスと二輪車のMVアグスタの9メーカーが協賛してその先進性を披露し、会場内でデモランを行った。またコンセプトカーのベスト・オブ・ショーはDSオートモービルのE-TENSEに与えられた。
主催者であるパトリック・ピーターは、次のように語った。
「私達は、2回開催して得たすべての経験を、3回目となる今年のコンクールに注いだ。私達のコンクールは世界のコンクール・デレガンス中での最も美しいイベントのひとつと認められた。これはメーカーにとっても重要なファクターである。私達は、次の数年の20000〜25000の観客数に達するために、ル・マン・クラシックでのノウハウを取り入れてゆく。私は、シャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミルの未来に自信があると感じている」
1920年代にフランスで始まったコンクール・デレガンスの伝統とスピリッツを復活させたシャンティイ・アート&エレガンス・リシャール・ミルは、世界のメジャー・コンクール・デレガンスの一角を確保したと言っても過言ではあるまい。
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フランス発祥である佳き時代のコンクール・デレガンスの伝統とスピリッツを継承した内容が特徴だ。
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ジャン・トッドの活動50周年を祝い、彼が関わったマシンによるクラスにはラリーカーからF1までが参加。
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コンクールだけではなく食事にも拘るのがフランス流。グリーンの上で参加車を見ながら食事を楽しんだ。
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ジャン・トッドがプジョー・スポール時代にプロデュースした歴代のラリーカーが数多く集まった。
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コンクールの参加車は、ギャラリーにその姿と走りを披露するのがシャンティイのやり方だ。
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会場内に設けられた大型の特設テントでは、1プログラムとしてボナムス・オークションが開かれた。
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トリビュート・ジャン・トッド・クラス優勝/1979年型プジョー504グループ4ラリーカー。
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フロント・エンジンF1クラス優勝/1946年型ゴルディーニ・タイプ11
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黎明期エアロディナミック・オープンモデル・クラス優勝/1935年型アルファ・ロメオ6C2300アエロスパイダー
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ツールド・フランス・カー(1951-1964)クラス優勝/1957年型フェラーリ250GT TdF
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ツールド・フランス・カー(1969-1986)クラス優勝/1982年型フェラーリ308GTB Gr.4ミケロット
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トリビュート・ポッジ・レーシングカー・クラス優勝/1972年型フェラーリ365GTB/4 コンペィツィオーネ S-II
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ブガッティGPカー・クラスFIVA賞/1928年型ブガッティ・タイプ35
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戦後のフランス・コーチビルダー・マスターピース・クラス優勝/1964年型ファセル・ヴェガ HKII
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50thアニヴァーサリ・ランボルギーニ・ミウラ・クラス優勝/1967年型ランボルギーニ・ミウラP400
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ベスト・オブ・ショー/1938年型アルファ・ロメオ8C2900Bルンゴ・ベルリネッタ
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グレート・イタリアン・コーチビルダー戦後ザガート・クラス優勝/1961年型アストン・マーティンDB4 GTZ
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グレート・イタリアン・コーチビルダー・アルファ・ロメオ・クラス優勝/1965年型アルファ・ロメオ 1600TZ
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イベントは静的ものだけではなく、参加したオーナーズクラブのメンバーによるラリーも行われた。
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ラリーはシャンティイ城を巡るツアー・オートを思わせるフランス的なルートが用意された。
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ラリーの参加車はヴィンテージカーやヒストリックカーだけではなく、現代のスーパーカーも参加できた。
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アストン・マーティンはヴァンキッシュ・ザガート・クーペを持ち込んだ。
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往年の328を思わせるのはBMWミッレ・ミリア・クーペ・コンセプト。
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鮮やかなブガッティ・ブルーを纏うのはブガッティ・シロン。
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DSオートモービルはE-TENSEでベスト・オブ・ショーを獲得した。
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マクラーレンは最新の570GTの特別仕様車を披露した。
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メルセデスは存在感のあるヴィジョン・マイバッハ6で参加。
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ロールス・ロイスはレイス・ブラック・バッジを持ち込んだ。
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レクサスもシャンティイに参加し、LC500で注目を集めていた。
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参加車は前庭の池を巡るコースで走る姿を披露した。
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