ボルボV60ポールスター

公開 : 2016.09.10 05:50  更新 : 2017.05.29 19:07

17MYが採用する8速ATに新たに採用されたスポーツ+モードはレブ・リミットを基準にしたシフト制御を行う。つまり、その車速に於ける最大の加速とエンブレが利くわけだ。シフト・マネージメントの煩わしさから解放されてドライバーは持てるの能力のすべてを加減速と操舵につぎ込むことができる。

リズムを刻むようなスポーツ・ドライビングではパドルやスティックでマニュアル変速をするのもいい。スポーツモードでも4000回転辺りを基準に変速制御を行うのでハイアベのワインディング・ドライブもこれで十分。スポーツ+モードは言わばタイムアタックモードだが、こういうのがあるとサーキットに走りに行きたくなるのもドライバー魂。スポーツ+モードを選択するための操作も、ちょっと裏コード的で気分を盛り上げてくれる。

直6から直4へ代わり、エンジン周りはフィールも含めて軽快になった。高精度かつ重量感のある直6と比べると車格感が低下した印象もあるのだが、軽快さはメリハリの利いたスポーツ・ドライビングの楽しみを高める。しかも、これはパワーフィールに限ったことではなく、ハンドリングにおいても同様である。

軽量小型のドライブEへの換装を考えれば当然だが、前軸周り軽量化とそれに伴うサス・チューニングの変更は操舵追従性を向上させている。直6時代も追従性に優れた初期回頭を示したが、回頭感覚には前輪を押し切るような重みが感じられる。一方、17MYは動き出しから軽く鼻先をインに向け、求めるアプローチ・アングルに達する時間が早まった。前後輪のグリップ・バランスの変化、加減速や路面のうねりでの不要な挙動が極めて少ないライン維持性の高さは新旧に共通するが、スーパーツアラーにワインディング・スポーツの軽やかさが加わったわけだ。

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