■「買い」か?

さて、どうするか。アウディTT Sは真のスポーツカーではないにせよ能力は高い。メルセデス-AMG SLC43は6つのシリンダーを組みあわせている。BMW M2という ‘番狂わせ’ だって存在するではないか。

ただ、支払う価格に対して得るものが大きいのは718ケイマンだ。エグゾースト・ノート以外は先代よりも良くなっているのもたしかである。

たとえばわたしが先代のケイマンSを持っていたとする。その場合、718ケイマンSに乗り換えることはしないだろう。失ったものが多すぎるからだ。

しかしケイマン→718ケイマンならば、着実に進化したことを理由に買ってもいいだろうと思う。この価格帯のスポーツカーとしては、718ケイマンがベストだ。

■日本版編集部の見立て

冒頭にも記した通り、ポルシェにフラット6を搭載していないスポーツカーを認めることが出来るのか、あるいはそうでないかの一点に関わっているといえよう。もちろん、356や912、最近評価が高まってきている914などの例を出すまでもないが、クラシック・ポルシェは4気筒もありだった。しかし、最近の多くのユーザーは、6気筒の911が一番慣れ親しんだポルシェであるのも事実。良くはなっているとは言え、フラット6ではないサウンドをどう感じるかだ。クルマとしての仕上がりが良いだけに、そして6気筒のケイマンよりも安価なために、充分に商品価値は高いのだが……。後は、あなたの気持ち次第だ。

価格	£39,878(540万円)
最高速度	274km/h
0-100km/h加速	5.1秒
燃費	13.5km/ℓ
CO2排出量	168g/km
乾燥重量	1335kg
エンジン	水平対向4気筒1988ccターボ
最高出力	292ps/6500rpm
最大トルク	38.7kg-m/1950-4500rpm
ギアボックス	6速マニュアル