ボルボV90 D5 パワーパルスAWDインスクリプション
公開 : 2016.09.12 05:50 更新 : 2017.05.29 19:07
正直に申しあげるならば、ロータリー・ノブなどの物理的なコントローラーが欲しいと思うことも何度かあったが、致命的な欠点というほどではなかった。
ギアはステアリング・ホイールにマウントされたパドルからも操作できる。D4に比べると、やはりD5の加速は力強い。‘パワーパルス’ の効果もあるのだろう。
パワー・パルスは賢いシステムだ。ふたりの若いエンジニアが生みだしたもので、電動のコンプレッサーを使用する。コンプレッサーは高圧の空気をエキマニに噴きつける。アクセルを踏んだ直後の動きである。簡単にいうとターボ・ラグを低減するもので、体感的にもそう感じる。現在は4WDのD5のみにつくシステムである。
ドライバーを奮起させるかどうかは特にV90に求められてはいないが、だからといっておろそかにしているとは感じない。パワーが不足していないことが大きいのだろう。ドライブ・モードは ‘ダイナミック’、‘コンフォート’、‘エコ’の3種。
ダイナミック・モードではサスが締まり、ステアリングと反応がよくなる。ただしモード間の棲み分けは満点とはいえない。そう感じるのは、ステアリングが人工的に重たくなったときだ。V90らしさを味わいたいのならば、コンフォート・モードの固定が賢明だろう。
18インチのホイールを履いたテスト車には£950(13万円)のセルフ-レベリング・エア・スプリングもリアに組みこまれていた。繰り返しの走行では、路面が荒れるほどにノイズと不安定さが看取され、ボディもロールしやすい傾向にあったが、快適なクルーザーというV90の本質を損なうほどではなかったので安心していただきたい。