マツダ・アテンザ・セダンXDプロアクティブ
公開 : 2016.09.14 05:50 更新 : 2017.05.29 19:12
乗り心地では軸周りの揺れや沈み込みよりも伸びを意識させるストローク感が気になる部分。路面の細かな凹凸の吸収や大きくストロークした時の収束性は良好だが、上級セダン/ワゴンの重質な味わいは希薄。良く言えばサイズを感じさせない乗り味であり、このサイズでも「人馬一体」を感じさせてくれる。
改良が加えられたディーゼルは静粛性、ドライバビリティともに従来車から向上。全体的に洗練感が増している。静粛性ではノック音が減少するだけでなく、負荷変動による音量や音質の変化も減少。ガソリン車とは異質なエンジン騒音だが、ディーゼル車では音質も含めてトップクラスの静粛性である。
加えて、踏み増し直後のトルクの立ち上がりが向上し、微小なアクセル操作での加減速制御がさらに容易になった。そのせいかダウンシフト頻度も減少し、巡航ギアのままで加速できる領域が拡大。ダウンシフト頻度と常用エンジン回転域の低下も静粛性の向上に寄与している。
反面、ロードノイズが目立つようになった。遮音防振面の改良も加えられているので新旧比較ではロードノイズも減少しているはずだが、それ以上に静かになったエンジン騒音がロードノイズを浮き上がらせたようだ。
乗り心地もロードノイズも重質さや厚み感といったオーソドックスな車格感を当てはめるとやり切れていない感もあるが、その道を選ばないのも「人馬一体」の最上級セダン/ワゴンたる自負なのだろう。