日産セレナ・ハイウェイスターG
公開 : 2016.09.17 05:40 更新 : 2021.01.30 21:50
また、「日本初の自動運転」との触れ込みの “プロパイロット” も用意されるが、いわゆる自動運転は「車速100km/h以下。前走車ありの追尾走行」にかぎられる。実質的には “高速道のみのレーンキープ機能付き全車速対応アダプティブコントロール(ACC)” といってよく、前記の超低速追尾走行以外では手放し運転が検知されると即座にキャンセルとなる。つまり、本当の自動運転をリアルに味わうことはほぼ不可能。ただ、同種技術のスバル・アイサイトver.3に対してもレーンキープできる範囲が幅広く、担当者によれば「条件が整えば、国内の自動車専用道路すべてでレーンキープ走行が可能」だそうだ。
■どんな感じ?
最近のミニバンでは親子+祖父母(もしくは親戚・友人家族)による3世代移動が増えて、せまい日本の駐車場では巨大なリアゲートが使えなくなっている……との市場分析結果から、セレナは2列目のシート内蔵ベルトやリアウインドウ開閉ゲートを新採用した。ちなみに、1年半前に発売されたステップワゴンは、これとまったく同じ調査結果から例の「わくわくゲート」を開発したのだが、すでに煮詰まった市場でも、メーカーによる解釈差がこうして生まれるのは興味深い。
もともと定評のあったシートアレンジや3列目の居住性もさらに使い勝手が増していて好感が持てる。トヨタやホンダほどの低床設計ではないので、寸法的な室内高だけはクラストップとはいえないが、その他の使い勝手はさすが最後発。新開発リアゲートも初見のインパクトはホンダほどでは大きくないものの、多くの人にとって日常の使い勝手でより重宝するのはセレナのほうと思う。