Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY

2016.09.26

text:上野太朗 (Taro Ueno) photo:上野太朗 (Taro Ueno)、マツダ株式会社

 
小さいころ、僕はサーキットにいくことがあまり好きではなかった。行けば色とりどりの速いクルマたちがそこらじゅうにあり、もちろん舞いあがっていたけれど、幼稚園の子どもなんて、あっという間に飽きてしまう。

小さかった僕にとって、サーキットはあくまで広く、無骨で、どこかよそよそしく感じた。興味のほこさきは、リュックサックのなかに詰めてきた◯◯レンジャーの変身グッズにあっという間に変わった。

それから20年が経って、サーキットに行く機会も増えた。もちろんサーキットにおける楽しみも、それなりにわかってきたと思う。しかし、そうはいってもサーキットは大人のための場所。そんな観念は大きく変わっていないと思っていた。

だからこそ、‘Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY’ には驚いた。

‘Be a driver. Experience.’ は、これまで各地でおこなわれてきた、マツダをもっと身近にカスタマーに感じてもらうためのイベント。モノづくり展示やマツダ・デザイン展示のほかに、経営陣や開発リーダーたちのトーク・セッション、最新技術搭載車の体験試乗など、マツダの開発者みずからがカスタマーと直接対話する点がこのイベントの特徴だ。

首都圏近郊のカスタマーに ‘マツダ体験’ をしてもらため、富士スピードウェイにて開催された今回のイベント。レーシング・コースでは、1991年ル・マン24時間レースの優勝車、マツダ787Bや歴代レジェンド・レース・マシンのデモラン、ロードスターによる公認レースなど、サーキット開催ならではのコンテンツも目白押しだった。

そのほかにも、都内の有名レストランが出展するフード・コートや、女性のカスタマーがくつろげるサロン、子ども向けの職業体験や記念撮影コーナーもあり、‘お父さん’ 以外も心置きなく楽しめる配慮がなされていた。結果的に家族の誰かが我慢する必要がないイベントなのだ。

男性と同じくらい女性が歩いており、それに負けないくらい子どもがはしゃぎまわっている。かつての僕のように、退屈そうにしている子どもは、ひとりとして見受けられなかった。

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