東京-大阪間を充電なしでカバー、新型BMW i3発表
2016.09.27
BMWは、大幅な航続距離の延長を実現した電気自動車、BMW i3の新型モデルを10月1日より発売すると発表した。
新型のi3では、大容量バッテリーの搭載による航続距離の延長(従来モデル比70%アップの390km)、インテリアの一新、ボディ・カラーの追加により商品力の向上を果たした。さらに、1年間の公共充電サービスの無償利用や、3年間のメインテナンス・パッケージを無償付帯することで、購入後も安心できるサービス内容としている。
新開発のバッテリーは、エネルギー密度を高めることでバッテリー・サイズを変えることなく33kWhの大容量となるリチウムイオン・バッテリーだ。これにより、室内スペースを一切損なうことなく、一充電走行距離は従来モデルから70%アップの390km(JC08モード)を実現した。ドライビング・ダイナミクスについては、最高出力170ps、最大トルク25.5kg-mを発生するモーターが後輪を駆動し、0-100km/h加速タイム7.3秒(ヨーロッパ仕様車値)をゼロ・エミッションで加速する。
また、647ccの発電用エンジンを備えたレンジ・エクステンダー装備車は、走行中にエンジンが電力を発電し、航続可能距離が更に121km延長され、合計で511kmの走行が可能である。これで、東京-大阪間を充電なしでカバーできるというのが、BMWのアピールポイントだ。
また新型は従来モデルからインテリアを一新。クールで高品質さを主張する「アトリエ」、モダンでナチュラルな印象を強調する「ロッジ」を追加し、上質かつ高級感あふれる「スイート」とあわせて、3つのデザインラインを設定した。エクステリアでは、これまでi8のみの設定であったプロトニック・ブルーを新たに採用している。
これにあわせてBMWは、10月1日より、同社の電気自動車およびプラグイン・ハイブリッド自動車専用の充電サービス、ChargeNow(チャージナウ)を日本で展開開始すると発表した。これは日本充電サービスが提供する国内最大の充電器ネットワークを利用できるもので、急速充電器5500基、普通充電器8500基、合計14000基の公共充電サービスを受けることができる。
日本仕様の新型BMW i3はCHAdeMO(チャデモ)方式の急速充電に対応。この急速充電の利用により、約45分で80%まで充電が可能となる。通常使用する自宅や勤務先での普通充電の場合は、約12~13時間で満充電となる。さらに、公共の充電サービスが利用可能になる「ChargeNow(チャージナウ)」を12ヶ月間無料で提供することにより、電気自動車購入への抵抗感や不安を軽減している。
価格は、i3が4,990,000円から5,600,000円。レンジ・エクステンダー装備車が5,460,000円から6,070,000円。なお、クリーンエネルギー自動車補助金にも適合するため最大365,000円の受給が可能である。
BMWによると、i3のEVモデルとレンジ・エクステンダー車両の販売比率は、「ドイツ本国では概ね半々だが、日本においては9割がレンジ・エクステンダー車両と突出している」ということだ。
その一方で、日本ではiシリーズ購入者の9割がBMWをはじめて買った顧客であり、さらに世界的にみても日本はiシリーズの3番目のマーケットになっている。こうした統計から見て、今回のバッテリー性能向上と充電サービス網の拡充が、iブランドの潜在需要を顕在化させる可能性は十分にある。
なおAUTOCAR DIGITALでは、現行型i3の長期使用を過去にレポートしている。当時の状況を確認したい方は下記リンクからアクセスを。
▶ 長期使用報告 / BMW i3 第1回
▶ 長期使用報告 / BMW i3 第2回
▶ 長期使用報告 / ポルシェ・パナメーラS E-ハイブリッド 第1回