アルファ・ロメオ・ジュリア vs メルセデス-AMG C63 S
公開 : 2016.09.27 05:50 更新 : 2021.01.30 21:38
レース・モード時のサウンドのわざとらしさが、かえってドライバーを冷めさせてしまうからだろうか。かつてのトロリと甘い、アルファV6の美声を知っている者ならば「こんなはずじゃあない」と言うかもしれない。
もうひとつ、評価を大きく左右するだろうハンドリングについて。フラットでスムーズな路面を走らせるかぎり、クアドリフォリオの方がC63 Sよりも反応がよいと感じた。それだけでなく、ロール・コントロールのしやすさやグリップ・レベル、コーナリング・バランスも(ほんのすこしの差だが)優っていると感じた。
いずれにしても、どちらも極めてドライバーを ‘その気’ にさせ、どちらも同じくらいダイレクトかつ正確で、ほとんど破綻の気配を見せない。4ドアのスポーツ・サルーンとして、驚くべき完成度である。
わずかながらにジュリア・クアドリフォリオがC63 Sに劣っている点といえば、それはハンドルやペダルを通じて伝わるフィードバックの量である。また、路面状況が悪化するにつれてボディの上下動が増す点も、C63 Sには見られなかった。