トヨタ86リミテッド
公開 : 2016.10.04 05:50 更新 : 2021.01.28 18:11
■どんなクルマ?
1983年に発売された4代目カローラ・レビン/スプリンター・トレノは軽量コンパクトで扱いやすいFRのスポーツカーとして人気が高かった。ファンの間では型式番号のAE86およびハチロクの愛称で親しまれ、その次の世代がFF化されたこと、チューニング・ベースとしての資質も高かったことなどから異例とも言えるほど長きに渡って支持を受け続けたことは、ちょっとした伝説になっているほどだ。
近年になって若者のスポーツカー離れに危機感を抱いていたトヨタは、ライトウエイトFRスポーツカーのリリースを決断し、その名をトヨタ86に決定。ただし、スポーツカー造りから離れていたこともあってスバルと共同開発として生産は委託。スバルBRZと兄弟車となった。2012年に発売して以来、2014年と2015年の一部改良を経て、今回が初のマイナーチェンジ。これを境に前期と後期に区別される。外観ではもともと低かったノーズの先端がさらにさがり、グリル開口部はワイド&ローを強調する形状へ。ヘッドライトやリア・コンビランプはLED化された。最近のトヨタは空力性能を細部まで煮詰めることに熱心だが、ノーズ・フィンなどにそれが見てとれる。さらに、ステアリング・コラムやサイド・ウインドー下端など見えない部分にアルミ・テープを貼り付けることで空気の流れを整えるという新たな技が使われている。
もっとも大きな改良点はボディ剛性向上だ。とくにリア・セクションではピラーのスポット打点の打ち増しや部分的な板厚アップが施され、その他ミッション・マウントのブラケットなども剛性強化されている。それに合わせてサスペンションも適正化。ショック・アブソーバーは標準のショーワ製にくわえ、SACHS製もオプションで用意されることとなった。