アンダー340万円対決:公道編
公開 : 2016.10.04 05:40 更新 : 2017.05.29 19:58
よって、124スパイダーとMX-5をまずは交互に乗り比べてみることにした。
124スパイダーのエンジン音は、つねに元気がいいMX-5のそれに比べると活気に欠けて単調。2000rpm以下だとアクセルを踏んでからトルクが湧きだすまでにいじらしく待たされるし、4500rpmを超えるとエンジンはゼイゼイと息を荒げる。
したがって上まで回す楽しさはなく、かえって変速の頻度が増すだけ。MX-5のような切れ味を124スパイダーで体感することはむずかしい。
反面、コーナーで気になっていた124スパイダーの足のやわらかさは、MX-5にくらべるとリラックスした環境を作りだしていることに気がつく。
大きなアンジュレーションはMX-5よりもうまく吸いこむ。ボディは124スパイダーのほうがフラットだし、市街地の操舵も安楽である。
しかし124スパイダーをロードカーと呼ぶのは馬鹿げている。124スパイダーのステアリングはMX-5とくらべるとヘビーだし、手元の情報量も漠然としている。一貫性にも欠けるためMX-5のように、思いどおりのラインを走ることはできないし、脱出時にリア・アクスルを求めた位置にポジショニングすることもむずかしい。よって124スパイダーはMX-5よりも数百kg以上重く感じる(じつはMX-5のほうがわずかに重いのに)。
残念だが、124スパイダーは、ソフトになったことを公道でも正当化することはできなかった。