アンダー340万円対決:公道編
公開 : 2016.10.04 05:40 更新 : 2017.05.29 19:58
ならば目を向けるべくはホットハッチだろう。われわれが124スパイダーのミドル・レンジのトルクやMX-5の身のこなしを言及したところで、コーナーで絶対的に速いのはホットハッチだからだ。
ルノー・クリオR.S.220トロフィー、DS 3パフォーマンス、フォード・フィエスタST200。騒々しいサウンドとあっという間に手にすることのできるエキサイトメントはこれら3台ならではである。
フォードのマニュアル・ギアボックスは適度に重みがあり、動作はクイックだ。これにくらべるとDS 3のマニュアル・ギアボックスは、わずかに精緻感に欠け、クラッチ・ミートの場所も掴みづらい。その点ルノーのパドル・シフトは、いかなる速度域でもテキパキと動作してくれる印象だ。
いずれも有り余るほどのパワーというわけではないが、フィエスタの音は、こんにちのどのライバルよりも聞きごこちがよいし、レヴ・レンジに(体感的な)制限がないのもいい。いずれも1.6ℓターボであるが、ことエンジンに関しては、どれもきちんとチューンされている印象だ。
ドライビング・ポジションに関しては、ペダルが高い位置にセットされており、なおかつドライバーに近い位置にあるDS 3のみ慣れが必要。ステアリングに関しても、ダイレクトネスに欠け、重みとフィールが不自然とはいえないにせよ、慣れが必要だと感じる。
一方の乗り心地はDS 3が3台中もっとも優れている。ホイール・トラベルが大きいため、衝撃の弱め方もうまい。ターマックの特別ステージをフラット・アウトするラリーカーに乗っている気分になる。