フォードBマックス 1.4 デュラテック・ゼテック
公開 : 2012.11.22 15:56 更新 : 2017.05.29 18:55
■どんなクルマ?
99bhpの1.0リッター3気筒エコブースト・エンジンの代わりに、この89bhpの1.4リッター4気筒エンジンを選ぶと、0-100km/hは0.6秒遅くなり、燃費は3km/l悪くなり、そしてCO2排出量も20g/km上がる。しかも、旧い4気筒エンジンならではの重量増とノイズもついてくる。では、このエンジンの存在意義はどこにあるのだろう。それはずばりその価格にある。
このベーシックなBマックス1.4スタジオにフォードは12,995ポンド(171万円)という価格をつけている。より豪華なゼテック・トリムでは2,605ポンド(34万円)高になる。ちなみにエコブースト・モデルは、このゼテックトリムよりも595ポンド(8万円)高い。
■どんな感じ?
4500rpmまでは穏やかな加速を示す。6速ギアがないのが悔やまれる。しかし、そのサウンドは、かなり切迫したようなフィーリングだ。4000rpmという高いトルク・ピークはロードカーとしては相応しくないし、その重たいノーズは安定性を欠くきらいがある。とはいうものの、ローエンドでは顕著にパワー不足を感じることはない。
3気筒エコブースト・モデルは、コーナリングではこの4気筒モデルよりも遥かに器用だ。バンのシルエットを持ち、高いシート・ポジションを持つBマックスから考えられないような安定性とバランスを持っている。1.4モデルも、ハンドリングは良く、総じて乗り心地も良い。しかし、唐突な凹凸には対応できていないようだ。
インテリアは、ほかのBマックス同様に優れたパッケージだ。特にBピラーのない構造は、リア・シートへチャイルド・シートを装着する際にはこの上なく便利だ。若干、フロント・シートの幅が狭いと感じるものの、キャビンのフィニッシュは良い。
■「買い」か?
あなたがコンパクトな移動手段を求めるのであれば、Bマックスは良い選択だ。しかも、シンプルな装備でよければBマックスの1.4スタジオは適正価格といえるだろう。しかし、より豪華なゼテック・トリムを選ぶのであれば話は別だ。エコブーストのために595ポンド(8万円)を惜しむのは常軌を逸した行為としか考えられないからだ。
(リチャード・ブレムナー)
フォードBマックス 1.4 デュラテック・ゼテック
価格 | 15,600ポンド(205万円) |
最高速度 | 170km/h |
0-100km/h加速 | 13.8秒 |
燃費 | 16.7km/l |
CO2排出量 | 139g/km |
乾燥重量 | 1275kg |
エンジン | 直列4気筒1388cc |
最高出力 | 89bhp/5750rpm |
最大トルク | 12.7kg-m/4000rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |