text & photo:Daisuke Ebisu (戎 大介)
その特徴的なロケーションから『東洋のモナコ』とも呼ばれる熱海で、今年も熱海HISTORICA G.P.が開催された。海沿いに芝生の広場が広がる長浜海浜公園を会場として、土・日の2日間にわたって『世界の名車フェスティバル』として、全国から集まったヒストリックカーが展示された。
本イベントに参加できるのは、国内外を問わず1991年までに製造された車両だが、“ATAMI”にちなんでアストンマーティンやアルファ・ロメオ、アバルトなど、アルファベットのAで始まるブランドや、その年のスペシャル・フィーチャーのメイクス製造によるクルマは全年式で参加できる。今年はBMWとアウディがフィーチャーされ、特別に石畳の展示スペースに並べられた。今年は2日間とも曇りがちで、ときどき雨にも見舞われたが、クルマ好きたちの足が鈍ることはなく、多くのギャラリーで賑わった。
また、展示されたすべてのクルマを対象にしたコンクール『The Best-Looking Car in 熱海 G.P.』が2日間それぞれで行われ、一般投票によって毎日各10台のクルマが選ばれた。今回は1日目が1965年型のホンダS600、2日目には1951年型のシトロエン・ライト15という名車が受賞した。その後、夕方には展示された全車が熱海の市街地を巡るパレードラン、『熱海G.P.RUN』に出発した。その夜にはエントラントの宿泊先であるホテルニューアカオで歓迎パーティーとして『熱海G.P.ナイト』も開催され、参加者たちは友好を深めた。
2日目は早朝6時半から、ホテルニューアカオが所有するハーブガーデンの私有地内のコースにて、恒例のヒルクライム・タイムアタック『Red Tail Hill Challenger’s cup』が開催された。この競技はエントリー各車が2回のタイムアタックを行い、2回のタイム差の少なさで競われるもの。速さよりも正確で安定したドライビングが求められるのだ。見学は事前の申し込みが必要なので誰もが見られるわけではないのだが、早朝のほの暗いワインディングを全力で駆け上がるヒストリックカーの姿にはとても興奮させられた。
今回で5回目を迎えた熱海ヒストリカG.P.。元々は観光地として低迷していた熱海と世のクルマ好きのおとっつぁんたちを応援したいという趣旨ではじまった(実行委員長の是枝正美さん曰く「G.P.は“グランプリ”と“頑張れパパ”のダブル・ミーニングだとか」)というが、今や秋の熱海には欠かせないイベントに育ったといえるだろう。
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天候が優れないなか、会場の長浜海浜公園には朝早くからエントラントたちが続々と集まってきた。
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ときどき滴る小雨に、スピリット・オブ・エクスタシーも少し物憂げそうに見えてしまう。
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展示グループAは“ATAMI”にちなんで、Aで始まるメイクス。アストンやアルファ、アバルトなどだ。
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グループBは1991年までに製造された車両。戦前のロールス・ロイスも自走で参加した。
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グループCは新旧のイタリア車と世界各国のイタルデザイン車がエントリーできるクラスだ。
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今年はドイツのメイクス、BMWとアウディ製車両が特別にフューチャーされ、石畳のコーナーに展示された。
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ズラリと並ぶBMW 2002。これだけのマルニターボが並ぶと実に壮観な光景で迫力満点だ。
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会場の長浜海浜公園には、地元の山海の幸を楽むことができる『うみえ~る長浜』も併設されている。
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静岡県警は各種シミュレーターで交通安全を学べる、交通安全体験車を出展し人気を集めていた。
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特別協賛のアトランティックカーズのブースには、アストン・マーティン・バンキッシュが展示された。
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ドイツの潤滑油ブランドで欧州車をはじめモータースポーツ派から支持されるリキモリのブース。
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経済産業省が後援する『くるまマイスター検定』のブース。11月27日に全国10会場で検定が開催される。
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105系アルファのスペシャルショップであるミラノオートサービスも、ブースを出展していた・・・・。
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・・・のだが、なぜかMGなどの英国車グッズが充実。スロットカーのボディもあった。
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1日、2日ともに、会場での一般投票で「The Best-Looking Car in 熱海G.P.」が決定された。
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参加者が選んだ1日目のベスト・ルッキング・カー、第1位は1965年型ホンダS600が受賞した。
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同じく1日目の第2位は1971年型アルファ・ロメオ ジュニア・ザガート1.3が受賞。
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第3位に輝いたのは1976年型アルピーヌ・ルノーA110。素晴らしいコンディションの個体だった。
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410ブルーバードやRT40コロナがジャガーMk-2と並ぶ。各国の旧車が集まるのが当イベントの特徴だ。
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ファイアーバードやカマロなどのアメリカン・マッスルカーもまたギャラリーの人気を集めている。
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本格的なラリー・モデファイが施されたポルシェ356C。ライトポッドはなんとアルミ叩き出しだ。
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可愛らしい2台のナッシュ・メトロポリタン。手前の個体はなんと中身が現代の日本車だった!
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個人的に目を惹かれた1台は1967年型ダイハツ・コンパーノ スパイダー。ハヤシのホイールも粋だ。
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1963年型メッサーシュミットKR200は、オーナーの好意でギャラリーに乗り込む機会が与えられた。
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1日目の終わりには展示全車によるパレード『熱海G.P.RUN』が行われ、熱海の市街地を賑わせた。
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夜はホテルニューアカオにて歓迎レセプションパーティー『熱海G.P.ナイト』も開催された。
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2日目の早朝にホテルニューアカオ・ハーブガーデンで『Red Tail Hill Challenger’s cup』が開催された。
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約30台がエントリーしたヒルクライム。参加車中の最新は1991年型R32 スカイラインGT-Rだった。
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アウトモビーリヴェローチェの岡戸代表が駆るカウンタック5000QVは、快音を轟かせていた。
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やはり峠道にはラリー車が似合う! 4つの補助灯を点灯させて走るのは1967年型BMW 1600Ti。
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全車が1回目のアタックを終えると列を成して山を下ってくる。2本目とのタイム差で勝負が決まる。
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もっとも少ないタイム差で走ったのは奥村選手の1963年型モーリス1100。速さだけで勝負が決まるわけではない。
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ヒルクライム2位に入賞したのは大井選手がドライブした1981年型フィアット X1/9だった。
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3番目に少ないタイム差で走ったのは、入佐選手の1988年型BMW M3(E30)であった。
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1962年型ボルボ PV544は気持ちよく走って『Happy Go Lucky Turtle』賞を受賞した。
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『Most Traditional Car』は参加者中もっとも旧い1959年型トライアンフ TR3Aが受賞した。
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ヒルクライム終了後に全車並べて記念写真をパチリ。後ろの方のクルマが霧で見えない!
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長浜海浜公園での車両展示2日目は天気も徐々に回復し、参加車は1日目よりも多くなった。
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フェラーリ製の1ℓエンジンをジウジアーロのボディに載せた1965年型ASA 1000GTもやって来た。
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1969年型いすゞ・ベレット 1600GT。流麗なファストバック・スタイルのボディが珍しい1台だ。
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メインステージ前にヒルクライムにエントリーした車両が並べられた。この後、表彰式が行われた。
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2日目もギャラリー投票による「The Best-Looking Car in 熱海G.P.」で10台が選ばれた。
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2日目の第1位はシトロエン・トラクシオン・アバン11CVのショートボディ、1951年型ライト15が獲得した。
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2日目の第2位は、素晴らしいコンディションの1973年型ロータス・ヨーロッパ スペシャルが受賞した。
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第3位は1965年型のトライアンフ TR4Aが受賞した。本日も展示された全車から10台が選ばれ、表彰された。