フォルクスワーゲン・パサート 2.0TSI R-Line
公開 : 2016.10.11 05:55 更新 : 2017.05.29 18:56
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲン・パサートにゴルフGTIと同じエンジンを搭載したのがパサート2.0TSI R-Line。2016年9月6日より日本発売が開始された。「パワフルでダイナミックな走行性能を実現」と輸入元のフォルクスワーゲン グループ ジャパンが謳うモデルである。
パサート2.0TSI R-Line導入の背景として、「車格的に1.4ℓでちゃんと走るのかという顧客の不安を払拭するため」とフォルクスワーゲン グループ ジャパンの広報担当者は話してくれた。体験したひとはご存知のように、1.4ℓでも力は十分。とりわけ高速巡航時など不便を感じることはほぼない。それでもいわば “喰わず嫌い” のユーザーのために、とっつきやすい2ℓエンジン搭載車という “入り口” が今回用意されたことになる。
パサート2.0TSI R-Lineは2つの車体が設定されている。セダン(499.9万円)とステーションワゴンであるバリアント(519.9万円)だ。2015年7月から日本市場に導入されているパサート・シリーズは1.4ℓガソリン・エンジンのみのため、選択肢が大きく広がった。2ℓユニットは冒頭でも触れたとおりゴルフのパワフルなモデル、GTIに搭載されているもの。162kW(220ps)の最高出力に350Nmの最大トルクを誇る。
「(R-Lineは)フォルクスワーゲン・スポーツモデル最高峰の称号「Rシリーズ」の流れを受け継ぐモデル」(広報資料)と定義されている。前後バンパー、サイドスカート、19インチ・リム径のアルミホイール、ナパレザー張りのスポーツ・シートといった専用装備はそれもスポーティなイメージを強化するものだ。実際に乗ってみると、しかし、意外なことがわかった。
■どんな感じ?
パサート2.0TSI R-Lineのセダンのよさはクリーンなスタイリング。全長4785mmのボディに2790mmのロング・ホイールベースのせいもありフォーマル性も感じる。そこにクロームの加飾を多用したフロント・グリルなどが適度な若々しさをつけ加えている。
いっぽうバリアントと伝統的に呼ばれるステーションワゴンは長いルーフが特徴で、見た目のとおり容量650ℓという広大な荷室を持つ。僕たちの仕事の周囲だとフォトグラファーでこのクルマを愛用するひとが多いのも納得できる機能設計だ。ただし合理主義に徹しているのではなく、ロング・ルーフをうまく活かして伸びやかな印象のスタイリングを作り出している。ウィンドウ・グラフィクスといってサイド・ウィンドウのかたちも流麗で、スポーツ好きが乗るのにふさわしい気分にさせられる。デザイナーはいい仕事をしている。