アウディR8スパイダー
公開 : 2016.10.12 05:40 更新 : 2017.05.29 18:13
611psの「R8プラス」が来年デビューするまでは、とてつもなく速いといっていいだろう。
なによりR8のパワー・デリバリーが「古典的」なのも評価の対象となるだろう。いかにも人工的なブーストとは無縁だし、アクセルを踏んだだけ自然にパワーが湧きあがるのは自然吸気ならではだ。
非常に賢い4WDシステムのおかげで、R8スパイダーがずば抜けて従順だという点も評価したい。
高評価の足を引っ張るのは、従順なわりに、振りまわす楽しみやドラマを供してくれない点だ。
ただ、音だけは格別。エンジンをシェアするランボルギーニ・ウラカンを考慮しても、これ以上甘美なV10サウンドを奏でるスーパーカーはなかなか見つけられまい。依存性があるといってもよかろう。
クーペに比べると40%の剛性低下ははっきりといって感じられる。ステアリング・コラムから小刻みな振動が伝わったり、ルーム・ミラーがカタカタと揺れることがたまにあるのだ。
ただ、可変ステアリングを選ばなければ話はべつ。フロントにエンジンが載っているわけではないので、軽々とノーズが向きを変えてくれる。望めばリアを滑らせることも可能。総じてフレンドリーといえる。