シトロエンC5エクスクルーシブHDI200
公開 : 2012.11.22 18:43 更新 : 2021.03.05 21:44
■どんなクルマ?
シトロエンC5は、信じられないほど穏やかなフェイスリフトが施されたが、それとともに新たにそのトップ・モデルとして登場したのが201bhpの2.2リッター・ディーゼル・エンジンを搭載するHDI200である。
フォード・モンデオやマツダ6といった最新のライバルが登場しているにもかかわらず、C5はその外観の変更点は少なく、LEDデイライト・ランプの追加と、新しいダブル・シェブロンをそのノーズに採用したぐらいだ。どのトリムでも選択可能なテクノ・パックに新しいeマイウェイ衛星ナビが追加されたのと、エクスクルーシブ・トリムに18インチ・ホイールが追加されているが、その他インテリアは変更を受けていない。
従って、新しいエンジンの追加が主なフェイスリストの内容となる。HDI200と対極にあるローエンド・モデルには、e-HDI115エアドリーム・エンジン・モデルが搭載される。このエンジンは、115bhpの1.6リッター・ディーゼルで、アイドリング・ストップを持ち、6速ギアボックスとの組み合わせで、22.3km/lの燃費と117g/kmのCO2排出量を持つ。
一方、HDI200は、17.0km/lの燃費と155g/kmのCO2排出量を持ち、そのパフォーマンスは0-100km/hが8.3秒、そして最高速度は230km/hをマークする。ちなみに、このHDI200搭載モデルは、ベーシックなHDI115に対して8,000ポンド(105万円)高い価格が付けられている。
■どんな感じ?
確かに速いが、新鮮さはない。2008年当時は、C5はドイツ車や日本車にない魅力があった。しかし、後に登場したDSシリーズの精神を病んでいるかのような特異なデザインと乗り心地は、更なる改良を見せた。したがって、4年経った今、C5の魅力はDSシリーズにとって変わられてしまわれた感があり、新鮮味や価値が薄れてしまったのだ。
もちろん、そのスタイリングは今もってなお魅力的ではある。また、クオリティもフォルクスワーゲンのようにハイ・クオリティなものを目指していることもわかる。また、少なくとも、その座り心地の良ク、調整幅の大きいシートも魅力的だ。
その一方で、18インチのホイールは乗り心地ではマイナスだし、セルフ・レベリング機能をもつハイドラクティブ3+サスペンションは、基本的に滑らかな路面を要求するものだ。
新しいエンジンもパワーは充分だが、軽やかさに欠ける。このクルマにスタート・ダッシュを望むのは、カバに立ってジャンプすることをお願いするに等しいのだ。
■「買い」か?
C5を推薦する理由はある。しかし、それには条件がある。高速道路、あるいはよく整備された1級国道をクルーズするだけの目的としてこのクルマを買うことだ。
確かにその燃費は、このクラスでもトップ・クラスで充分に競争力のあるものである。しかし、その28,495ポンド(376万円)という価格は、5つ星のBMW 320dよりも高いのである。
(ニック・カケット)
シトロエンC5エクスクルーシブHDI200
価格 | 28,495ポンド(376万円) |
最高速度 | 230km/h |
0-100km/h加速 | 8.3秒 |
燃費 | 17.0km/l |
CO2排出量 | 155g/km |
乾燥重量 | 1841kg |
エンジン | 直列4気筒2179ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 201bhp/3500rpm |
最大トルク | 45.9kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 6速オートマティック |